「大谷翔平におったまげた」NYの記者4人。未来予測は意見が割れた (3ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Getty Images

〈2〉多くのことをこなせる選手だが、最もすごいと思った部分は?

クラピッシュ メジャーの舞台ですぐに成功を手にしてきたことだ。アメリカに来て即座に結果を出すのは大変なことなのに、1カ月程度で彼は投打両面で"Good"ではなく、いきなり"Great"と呼べるプレーを見せてきた。本来であれば不可能に近いことのはず。それを成し遂げたことが、彼の才能のすごさを物語っているのだろう。

レノン メジャーにおいて、"いい選手"と"偉大な選手"を分けるのはメンタルの強さと自信だ。才能、スキルを備えており、身体能力に秀でているだけでなく、大谷は精神的な強さも持っているように見える。ヤンキースタジアムの雰囲気に怖気づいてしまう若い選手も見てきたが、大谷はとてつもない注目を浴び、4万3000人のファンからブーイングを浴びながら、それでも平然としていた。私が選手を評価する際には、フィールド内よりもフィールド外に目をやるが、大谷のハートの強さはこれからも武器になるはずだ。

ハービー ベースボールの知識、理解力の高さが印象的だった。カウントによって打撃をアジャストさせ、厳しいコースのボールに手を出さず、四球を稼いでいた。自分が打球を遠くまで飛ばせるコース、カウントを熟知していて、過去にはそれらの球をホームランにしてきている。足も速く、非常に聡明なためにベースランニングの質も高い。

 投手としてはまだサンプルが少なく、彼自身も学んでいる最中かもしれないが、23歳にしてはハイレベル。本当にさまざまな形でチームを助けられる選手と言える。今後にどんな道を選ぶとしても、彼の可能性は無限大だ。

アドラー その才能については耳にしてはいたが、実際に見て、非常に自然体かつ力みのないスイングで打球を遠くに飛ばすパワーには驚かされた。いわゆる"イージー・パワー"。スイングが似ているわけではないが、余計な力を使わずに強い打球を打つという意味でマイク・トラウトと共通点があると感じた。

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