2018.05.08

メジャーデビュー「大谷翔平レベルの衝撃」は、
これまでにあったのか?

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

 投げては100マイル(約161キロ)超えを連発し、打っては本拠地デビュー戦から3試合連続の本塁打――。大谷翔平選手の活躍ぶりは地元ロサンゼルスだけでなく、早くも全米中を巻き込んで大きな話題となっています。

可愛らしい笑顔もあいまって一躍人気者となった大谷翔平 メジャーの長い歴史のなかでも、大谷選手級の衝撃的なデビューはどれほどあったでしょうか。今回は個人的に印象に残っているメジャーリーガーのデビューを取り上げたいと思います。

 まず、古い順に振り返っていくと、やはりフェルナンド・バレンズエラの実質的なデビュー時を思い出します。メキシコの片田舎で12人きょうだいの末っ子として生まれたバレンズエラは、貧困生活から抜け出すために15歳のときにメキシカンリーグのチームと契約しました。そして1979年、ロサンゼルス・ドジャースのスカウトの目にとまり、メキシコを離れてアメリカ行きを決意します。

 しばらくマイナー生活を送ったのち、1980年9月に19歳でメジャーデビュー。ただ、その年は10試合ほどにリリーフで登板しただけで、バレンズエラの存在を知る人はほとんどいませんでした。

 しかし1981年、開幕前日に予想外のパプニングが起こります。当時ドジャースのエースだったジェリー・ロイスが急に故障を訴え、開幕投手のポジションがポッカリと空いてしまったのです。その緊急事態を救ったのが、前日練習でバッティング投手を務めていたバレンズエラでした。まさかの急展開で急遽、開幕投手に大抜擢されることになったのです。

 そして迎えたヒューストン・アストロズとの開幕戦。バレンズエラは堂々としたピッチングでアストロズ打線を5安打に抑え込み、見事に完封勝利を飾りました。その後もバレンズエラの勢いは収まらず、開幕から破竹の8連勝をマーク。スクリューボールを巧みに織り交ぜたベテラン顔負けの投球術で、一躍ドジャースで先発の柱となったのです。