顔が怖い23歳がバレンズエラ級の快投。ア・リーグに驚異の新人現る (4ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

 今シーズンの開幕はマイナーからのスタートでしたが、4月29日のミネソタ・ツインズ戦でメジャーデビュー。5イニングを2失点に抑えてデビュー戦初勝利を挙げると、5月21日から7月17日にかけて10試合の先発登板で7勝1敗・防御率0.83という驚異的な数字を残しました。メジャー1年目のピッチャーが10試合の先発登板機会において、この数字は過去最高の防御率です。

 その後、5月27日から6月17日にかけて33イニング3分の1連続無失点をマーク。これは1971年以降、新人先発ピッチャーでは1981年のフェルナンド・バレンズエラ(当時ロサンゼルス・ドジャース)の35イニング連続無失点に次ぐ記録です。たちまちフルマーの名前は、全米中に知れ渡りました。

 そして8月14日、テキサス・レンジャーズ戦で初完封勝利を挙げ、規定投球回数に到達。いきなり防御率でア・リーグ1位の座に躍り出ました。現在10勝4敗・防御率2.58で、被安打率.218はア・リーグ4位、WHIP(※)1.06はリーグ7位。一躍、ア・リーグ新人王候補に名乗りを挙げています。

※WHIP=被安打数と与四球数(与死球数は含まない)を投球回数で割った数字で、1イニングあたり何人の走者を出したかを表す。WHIP1.00以下なら球界を代表する投手と言われている。

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