機動力よりパワー。ロビンソン・カノ率いる
マリナーズが改革成功
シーズン序盤を沸かせたチーム@ア・リーグ編
2016年シーズンも6月に突入して50試合ほど消化しましたが、序盤戦のア・リーグでは東・中・西、いずれの地区でも予想外のチームが躍進し、メジャーを大いに沸かせています。
まず、東地区で特筆すべきチームは、まさかの快進撃を見せるボルチモア・オリオールズでしょう。2014年に地区優勝したものの、昨シーズンは勝率5割で東地区3位に終わり、今シーズンもあまり期待されていませんでした。昨シーズン東地区を制したトロント・ブルージェイズや、最下位からの巻き返しを図るボストン・レッドソックス、名門復活の予感ただようニューヨーク・ヤンキースなどが東地区の優勝候補だったからです。
豪快なスイングでホームランを量産するロビンソン・カノ ところがフタを開けてみると、オリオールズは開幕から7連勝という最高のスタートを切り、5月に入っても7日からふたたび7連勝。その時点での勝率.657(23勝12敗)は、シカゴ・カブスに次ぐメジャー2位の高い数字を残しました。5月31日現在、28勝22敗・勝率.560で東地区2位。首位のレッドソックスに3ゲーム差まで迫っています。
このチームの躍進を支えているのは、今シーズン新しく結成された「強打者トリオ」の存在です。昨年ホームラン王に輝いたクリス・デービス、若きスター候補のマニー・マチャド、そして今オフに加入したマーク・トランボ。この3人が、ライバルチーム相手に打棒をふるっているのです。
1 / 5
著者プロフィール
福島良一 (ふくしま・よしかず)
1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima)