田口壮が断言。「日本人内野手はメジャーで通用する」 (3ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

―― つまり、フィジカルに関してはまったく問題がないと?

「まったく問題ありません。スナップスローにしても練習すれば普通にできるようになります。先程も言いましたが、大事なのは体の使い方、身のこなしなんです。外国人選手の動きは一見、雑に見えますし、遊んでいるようにも見えるのですが、この動きこそが大事なんです。そうした感覚って絶対に生きてきます」

―― 昨年行なわれた日米野球を見ていても、メジャーの二遊間はひとつひとつのプレイが華麗で、見せることを意識しているように思えました。

「芸術の域ですよね。グラブトスにしても簡単にやっているように見えますが、ちゃんと練習しているんですよ。外国人選手は捕球ひとつにしても、いろんなアプローチの仕方、ボールの捕り方がある。だから、どんな打球でも対応できるんです」

 ここまで、日本人内野手がアメリカで苦しんでいる現状について書いてきたが、それはここ数年のことで、それ以前は期待に見合った成績を残した選手たちもいた。

 松井稼頭央は2004年にニューヨーク・メッツと契約。守備の不安から2年目にショートからセカンドにコンバートされたが、レギュラーの座を掴み取った。その後、コロラド・ロッキーズ、ヒューストン・アストロズでも正二塁手として活躍し、2010年までの7年間で630試合の出場を果たした。

 井口資仁は2005年にシカゴ・ホワイトソックスに入団。1年目から3年連続して135試合以上の出場を果たすなど、4年間で493試合に出場した。

 岩村明憲は2007年にデビルレイズ(現・レイズ)と契約し、4年間で408試合に出場した。2008年には日本人内野手としてシーズン最多となる152試合の出場を果たした。

 さらに特筆すべきは、3人ともワールドシリーズという大舞台に先発出場を果たしているのである。

―― 以前は、松井選手、井口選手、岩村選手がレギュラーとして活躍しましたが、ここ最近はメジャー昇格すら厳しい状況です。メジャーの野球が変わってきているということはあるのでしょうか。

「野球そのものは変わっていないと思います。ただ、今は待ってくれる時間が少し短いような気がします。日本からアメリカに来た場合、特に内野手はアジャストしていかなければいけないものが多くて、どうしても時間を要してしまいます。しかし、チームはすぐに結果を求める。以前よりも、結果を求めるのが早くなったような印象がありますね。あと、なぜ試合に出ることができないのかを考えた時に、単純に選んだチームが悪かったのかなと思う部分があります。どれだけ自分にフィットするチームなのかということを、ある程度知っておく必要はあると思います。GMや監督、チームの雰囲気。街の雰囲気を含めて全て見ておく必要がある。代理人にしても、どんな人物なのかを把握してから契約しないといけない。そういう準備をすることも大事なんですよ」

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