【MLB】近年まれに見る選手大移動。今オフの勝ち組は? (3ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu photo by Getty Images

 そのシカゴの街が盛り上がっている一方で、さすがと思わせたのが、ロサンゼルス・ドジャースです。ウィンターミーティング中のわずか14時間の間に、4つのチームと取引を行ない、なんと合計19名もの選手の移動に関与しました。

 具体的にいうと、まず手始めにフィラデルフィア・フィリーズひと筋15年のベテラン遊撃手、ジミー・ロリンズ(打率.243・17本塁打・55打点・28盗塁)を獲得すると、続いてマイアミ・マーリンズに4人を放出し、代わりに3人の選手を獲得。すると、マーリンズから手に入れた「将来有望」と言われている若手右腕アンドリュー・ヒーニーを数時間後にロサンゼルス・エンゼルスへトレードに出し、その見返りにハウィー・ケンドリック(打率.293・7本塁打・75打点)という強打の二塁手を獲得しました。

 それら一連の交渉を迅速に行なったのは、新しく就任した編成部門取締役とGMです。ドジャースは今オフ、タンパベイ・レイズの敏腕GMだったアンドリュー・フリードマンを新設された編成部門の取締役に据え、アスレチックスのビリー・ビーンGMの補佐を務めていたファラハーン・ザイディを新GMとして迎えました。すると、ふたりの手腕がいきなり揮(ふる)われたのです。

 マーリンズとのトレードで今季13勝(11敗)のダン・ヘイレンを放出するも、すぐにヤンキースからFAとなったブランドン・マッカーシー(10勝15敗・防御率4.05)と4年総額4800万ドル(約58億円)で契約。空いてしまった先発陣の穴をすぐに埋めました。さらに、2011 年オフに当時球団最高額となる8年総額1億6000万ドル(約120億円)で契約延長したものの、期待以上の活躍を見せていないマット・ケンプを、ようやくサンディエゴ・パドレスに放出することができました。それにより、年俸総額を抑えることにも成功しています。今オフのドジャース最大の勝因は、フロント陣を改革した点ではないでしょうか。

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