2014.07.26

MLBに一石を投じた「ダルビッシュ発言」の意義

  • 笹田幸嗣●文 text by Sasada Koji
  • photo by USA TODAY Sports/AFLO

 夢の球宴、オールスターの前日会見でのことだった。レンジャーズのダルビッシュ有は、選手としてどうしても言っておきたいことがあった。

「これだけトミー・ジョン手術を受ける選手が出ているんだから、もっと議論しなきゃいけない。もったいない。もっとみんなで話し合うべきです」

 ダルビッシュの言葉は熱く、現役投手としての使命感、責任感を感じた。

オールスターの前日会見で「中4日は短すぎる」と発言したダルビッシュ有。

 メジャーで急増し続けるトミー・ジョン手術。特に、近年は若手投手に多く、大きな問題となっている。ヤンキースの田中将大も右ヒジに部分断裂が見つかり、現状では手術の必要性はないものの、最短でも復帰は8月末になるなど、症状は決して軽くない。

 歯止めがきかない投手のヒジの問題にダルビッシュは「スピードが上がり、腕をプロテクトできないと、負担が靱帯に向かってしまう」と、球速アップを求める筋力トレーニングも原因のひとつだと説明した。だが、投手が球速を求めるのは本能。それよりも、中4日の登板間隔に問題があると警鐘を鳴らした。

「中4日は絶対に短い。球数はほとんど関係ないです。120球、140球を投げても、中6日あれば靱帯の炎症も全部クリーンにとれる」

 ダルビッシュによると、中4日では体が回復せず、靱帯の炎症が治まりきらないうちに次の登板を迎えてしまう。だから故障を招いてしまうのだ、と。

 そしてダルビッシュはシンプルにロースター枠拡大こそ解決の近道であるとも言った。

「ロースター枠を拡大するのがいいと思います。もし拡大されたら、投手ひとりひとりの年俸は下がりますけど、選手を守るのであれば、もう1枠増やして、先発用の枠を作って中5日か、もしくは中6日で回したほうが、もっと(投手は)楽にやれると思います」