【MLB】マーリンズのスタジアムで起きた「ちょっといい話」

  • 三尾圭●協力 text Mio Kiyoshi

アメスポ事件簿147

 ある日のこと。地元高校に通っているマイアミ・マーリンズのファンがコロラド・ロッキーズとの試合を観戦するため、マーリンズ・ボールパークに訪れた。ところが、席に座って何気なしにポケットの中を探ってみると、入れておいた財布がなくなっていたという。その高校生はすぐさま席を立ち、周囲に財布が落ちていないか探すも、見つけることはできず、失意のままスタジアムを後にすることとなった。

 しかし数週間後、通っている高校から呼び出しを受けたという。何事かと思って職員室に訪れると、なんと職員から落としたはずの財布が手渡されたのである。さっそく事情を尋ねると、財布の中に高校のIDカードが入っていたため、財布を拾った人が届けてくれたとのこと。さらに、財布の中身を確かめると、自分のものではない20ドル札と、拾い主からのメモが入っていた。

「この世界はそれほどひどい場所ではないんだよ。今度はキミが誰かに良いことをする番だ」

 その高校生は、拾い主からもらった言葉を大切にしているという。

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