今季初勝利の松坂大輔。先発ローテに食い込むための最短ルートは?

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu photo by AFLO

 今シーズン、3年ぶりにリリーフとして登板したニューヨーク・メッツの松坂大輔投手に、再び注目が集まっています。4月19日と20日、10年ぶりに2試合続けてマウンドに立ち、23日には7回ツーアウトニ塁のピンチに相手バッターから三振を奪って自身初のホールドを記録。さらに翌日のセントルイス・カージナルス戦では9回に登場し、無安打無失点で切り抜けて初セーブを挙げました。5月5日のマイアミ・マーリンズ戦では3失点を喫したものの、その後登板した2試合とも無失点をマーク。さらに、5月13日のニューヨーク・ヤンキース戦では2番手として登板し、3回3分の2を1失点に抑える好投で今シーズン初勝利を挙げました。要所で相手バッターを抑え、リリーフとしての役割を十分に果たしています。

今シーズンは最速150キロをマークするなど、かつての球速に戻りつつある松坂大輔今シーズンは最速150キロをマークするなど、かつての球速に戻りつつある松坂大輔 過去を振り返ると、先発からリリーフに転向して成功を収めた日本人メジャーリーガーは何人もいます。最たる例は、1997年にオリックスからアナハイム(現ロサンゼルス)・エンゼルスに移籍した長谷川滋利投手でしょう。入団当初は先発として7試合に登板するも結果を残せず、シーズン途中からリリーフに転向。すると、リリーフとしての能力をいかんなく発揮し、メジャーで9年間活躍しました。

 また、1997年に鳴り物入りでヤンキースに入団した伊良部秀輝投手も、最後はリリーフで結果を残したひとりです。1998年と1999年に2年連続でふたケタ勝利を挙げるも、その後は先発として不本意な成績しか残せませんでした。しかし、テキサス・レンジャーズに移籍すると、クローザーとして起用されて16セーブをマークしたのです。

 現役では、ボストン・レッドソックスの上原浩治投手と田澤純一投手も同じような境遇でしょう。2009年にボルチモア・オリオールズに入団した上原投手は、先発としてメジャーデビューするも相次ぐ故障でリリーフに転向。その結果、ケガなく安定して成績を残せるようになり、昨年はクローザーとしてチームを世界一へと導きました。また、田澤投手も先発投手でデビューするものの、トミー・ジョン手術をキッカケに中継ぎ投手となりました。しかし、復帰後はチームの勝利に貢献するピッチングで、いまやチームに欠かせない中継ぎとしての地位を確立しています。

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