【WBC】これが大会を彩る最強スラッガー10人だ!

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by Getty Images

45年ぶりの三冠王に輝いたミゲル・カブレラもベネズエラ代表としてWBCに参加する45年ぶりの三冠王に輝いたミゲル・カブレラもベネズエラ代表としてWBCに参加する 第3回WBCに参加する16ヵ国の出場メンバーが、ほぼ決定しました。その選手リストを見てみると、オールスター出場選手が45人、MVP受賞者が7人、そしてサイ・ヤング賞投手がひとり。やはりWBCは、各国の超一流メジャーリーガーが集結する『世界の球宴』です。我々はとかくチームの勝ち負けに一喜一憂しがちですが、それを超越した夢の祭典を純粋に楽しむのも、ひとつの見方ではないでしょうか。というわけで今回は、WBCに出場する世界最高峰のメジャーリーグ打者10人をピックアップしたいと思います。

 まず、最初に紹介しなければならないのは、ベネズエラ代表のミゲル・カブレラ(デトロイト・タイガース)でしょう。ご存知のように昨年、メジャーリーグ史上45年ぶりの三冠王となり、ア・リーグMVPにも輝いた現役最強のスラッガーです。高いアベレージと驚異的なパワーを兼ね備え、さらにチャンスにも滅法強い。いまやアルバート・プホルス(セントルイス・カージナルス)に代わる「メジャー最高の右バッター」と言えるでしょう。

 カブレラの注目すべきところは、卓越したバッティング技術です。特に内角のボールをライト方向に持っていく『インサイドアウト』のスイングは天下一品。オープン戦最初の4試合で早くも2本のホームランを放ちました。WBCに照準を合わせ、順調な仕上がりを見せています。

 ベネズエラ代表でのカブレラは、タイガースと同じく『不動の3番』です。そして、そのカブレラの打撃を生かすべく、打線の中軸を任されるのが、2010年に「三冠王獲得か」と騒がれたカルロス・ゴンザレス(コロラド・ロッキーズ)ではないでしょうか。2年半前、当時25歳だったC・ゴンザレスは打率.336で首位打者に輝き、リーグ4位の34本塁打、そしてリーグ2位の117打点とすべての部門で高い数字を残して、一躍、若きスター選手となりました。また、彼はスピードも持ち合わせており、昨年まで3年続けて『20本塁打・20盗塁』をマーク。昨年のワールドシリーズでMVPに輝いたパブロ・サンドバル(サンフランシスコ・ジャイアンツ)が4番に座ると思いますので、3番・カブレラ、4番・サンドバル、5番C・ゴンザレスのクリーンアップで打点を叩き出すのが、ベネズエラの必勝パターンとなるでしょう。

 同じく中南米の出場国では、ドミニカ共和国も世界最高峰のバッターを多く抱えています。今大会、ドミニカ代表として出場する選手の中では、ロビンソン・カノ(ニューヨーク・ヤンキース)と、ハンリー・ラミレス(ロサンゼルス・ドジャース)のふたりに注目です。

 まず、ヤンキースのカノは、タイトルこそ獲得していないものの、リーグ屈指の左バッターとしてMLBを代表するスラッガーです。かつてはアベレージヒッターでしたが、年々パワーを身につけ、昨年は自己最多の33本塁打をマーク。強打を誇るヤンキース打線の中でも、その能力は突出しています。前述したプホルスや、エイドリアン・ベルトレ(テキサス・レンジャーズ)がWBCへの出場を辞退したので、ドミニカ代表の3番に収まるのはカノでしょう。今大会の「ドミニカの顔」と言えるスター選手です。

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