【WBC】米ラウンドも開幕!現地メディアは大会をどう伝えているか

  • 冷泉彰彦●文 text by Reizei Akihiko
  • photo by Getty Images

チームUSAを率いるジョー・トーリ監督。その活躍いかんで開催国アメリカの盛り上がり方も大きく変わってくるチームUSAを率いるジョー・トーリ監督。その活躍いかんで開催国アメリカの盛り上がり方も大きく変わってくる 台中ラウンド、福岡ラウンドに続いて、サンファン(プエルトリコ)ラウンド、そしていよいよUSAチームの出場するフェニックスラウンドが開幕する。だが、この時点でもアメリカの報道は盛り上がっていない。

 まず、テレビの扱いが過去二回の大会と比較すると格段に小さくなった。2006年の第1回は、スポーツ専門局のESPNが全試合を中継した。だが、決して高視聴率とはいかなかったようで、2009年の第2回ではESPNが中継したのは決勝など一部だけで、その他の試合の中継はMLB機構の出資するMLBネットワークが担当した。

 MLBネットワークというのは、ケーブル局の中でもややマイナーな存在で、通常のケーブルや衛星契約ではオプション扱いになる、つまり「特に野球が好きな視聴者」だけが対象の局だと言えるだろう。今回の第3回大会は予選から決勝まで、英語アナウンスでの放送はすべて、このMLBネットワークが中継することになった。つまり、メジャーなテレビ局は降りてしまったということだ。

 雑誌や新聞の扱いも過去2回に比べると小さくなった。例えば『スポーツ・イラストレイテッド』は今年の場合「特集」は組んでおらず、WBCに関しては基本的に「囲み記事」だけという扱いだ。ウェブでも、充実したMLB情報の提供で有名な「米Yahoo!」などは、あくまでこの時期のメインはMLBのキャンプ、オープン戦情報になっている。

 では、アメリカではこのままWBCの位置づけは低下する一方なのだろうか?

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