【MLB】藤川球児の本拠地リグレーフィールドは、甲子園と瓜ふたつ (3ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
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 スーターの次にカブスの守護神となったのが、198センチ・102キロの体格を誇った巨漢のリー・スミスです。1980年、カブスでのメジャーデビューから8年間で、スミスはチーム歴代1位の180セーブをマーク。その後、7球団を渡り歩いて通算478セーブを挙げ、その後、トレバー・ホフマン(元サンディエゴ・パドレスなど/通算601セーブ)とマリアノ・リベラ(ニューヨーク・ヤンキース/通算608セーブ)に抜かれるまで、メジャー歴代1位の座に君臨しました。

 そして90年代に入ると、豪腕サウスボーのランディ・マイヤーズが登場します。1990年にシンシナティ・レッズが世界一に輝いたときの救援トリオ『ナスティ・ボーイズ』のクローザーを務めたマイヤーズは、1993年にカブスへ移籍。そしてカブス1年目に、マイヤーズは53セーブを挙げて当時のナ・リーグ新記録を樹立したのです。1995年にもマイヤーズは、カブスで2度目のセーブ王に輝きました。

 また、カブスで先発からクローザーに転身したケリー・ウッドも忘れてはいけません。テキサス州出身の豪腕投手ということで『ノーラン・ライアン二世』と呼ばれ、1998年に20歳でデビューするやいなや、メジャータイ記録の1試合20奪三振を記録するなど、鮮烈なデビューで新人王に輝きました。クローザーとなった2008年には34セーブを記録。ウッドの豪腕もカブスの守護神にふさわしいものでした。スーター、リー、マイヤーズ、そしてウッド……。錚々たる守護神が顔を揃えるカブスの歴史に、藤川投手も仲間入りしてほしいものです。

 藤川投手がメジャー最初の地に選んだシカゴは、ニューヨークに次ぐ「アメリカ第2の都市」と呼ばれています。ニューヨークが東京なら、シカゴは大阪みたいなものです。そういう視点からでも、阪神とカブスは、意外と共通点が多いのではないでしょうか。リグレーフィールドと甲子園はともに歴史が長く、ツタに覆われた雰囲気も同じですし、「風の街」と呼ばれるようにミシガン湖から吹き付ける季節風も、六甲おろしと似ているかもしれません。藤川投手はリグレーフィールドで、どんなピッチングを見せてくれるのでしょうか。今から来シーズンが待ち遠しいです。

プロフィール

  • 福島良一

    福島良一 (ふくしま・よしかず)

    1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima

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