【MLB】全米中で話題騒然。ミゲル・カブレラ、三冠王なるか?

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by Getty Images

夢の三冠王まであと一歩。ミゲル・カブレラのプレイに全米中が注目している夢の三冠王まであと一歩。ミゲル・カブレラのプレイに全米中が注目している レギュラーシーズンも終盤となり、現地アメリカでは「誰がMVPとなるのか?」という話題で持ちきりです。昔のメジャーは個人成績重視でMVPが選ばれていました。しかし近年では、日本プロ野球と同じくチーム成績重視になっています。いかに地区優勝、もしくはプレイオフ進出に貢献したかが、MVPに選ばれる重要な要素となっているのです。

 しかし今年はひさびさに、抜きん出た個人成績でMVPを受賞するプレイヤーが誕生するかもしれません。なぜならば今、アメリカで最も話題となっているのが、「メジャー史上45年ぶりの三冠王誕生なるか」だからです。

 その注目の的となっているのが、デトロイト・タイガースのミゲル・カブレラです。現在、カブレラの成績は、打率.329(1位)・42本塁打(2位)・133打点(1位)。9月22日に42号ホームランを打ったときは、ジョシュ・ハミルトン(テキサス・レンジャーズ)に並んで3冠部門すべてでトップとなりました。

●ア・リーグ三冠ベスト3●
[打率]
1位 ミゲル・カブレラ(デトロイト・タイガース) .329
2位 ジョー・マウアー(ミネソタ・ツインズ) .326
3位 マイク・トラウト(ロサンゼルス・エンゼルス) .324

[本塁打]
1位 ジョシュ・ハミルトン(テキサス・レンジャーズ) 43本
2位 ミゲル・カブレラ(デトロイト・タイガース) 42本
3位 アダム・ダン(シカゴ・ホワイトソックス) 41本
3位 エドウィン・エンカーナシオン(トロント・ブルージェイズ) 41本

[打点]
1位 ミゲル・カブレラ(デトロイト・タイガース) 133点
2位 ジョシュ・ハミルトン(テキサス・レンジャーズ) 124点
3位 ジョシュ・ウィリンガム(ミネソタ・ツインズ) 110点

 1900年の近代野球以降において、三冠王となったのはメジャーで11人、延べ13人しかいません。しかも1967年にカール・ヤストレムスキー(ボストン・レッドソックス)が達成して以来、実に45年も誕生していない偉業なのです。それを今年、もしかしたらカブレラが塗り替えるかもしれないのですから、全米中が大騒ぎになるのも当たり前でしょう。

1 / 3

著者プロフィール

  • 福島良一

    福島良一 (ふくしま・よしかず)

    1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る