【MLB】レギュラー定着を決定づけた青木宣親の3つのプレイ

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

持ち味を存分に生かして控えからレギュラーの座を奪い取ったメジャー1年目の青木宣親持ち味を存分に生かして控えからレギュラーの座を奪い取ったメジャー1年目の青木宣親 開幕当初は外野の控えとしてスタートするも、今では毎試合、スタメン起用されるようになったミルウォーキー・ブルワーズの青木宣親選手。気がつけば、ライバルのナイジャー・モーガンとカルロス・ゴメスはセンターで併用されるようになり、コーリー・ハートは一塁に追いやられ、ライトのポジションは青木の定位置に。また、打順も対右投手では1番、左投手には2番と、クリーンナップにつなげる重要な役割を担っています。今シーズンの前半戦で最も活躍した日本人野手は、青木選手で間違いありません。

 ホームタウンのミルウォーキーでの評価も、うなぎ上りです。地元紙『ミルウォーキー・ジャーナル・センチネル』は今季の前半戦を振り返り、チームにとって最も成功した出来事ベスト5をリストアップしました。1位は『主砲ライアン・ブラウン、2年連続MVP級の活躍』でしたが、2位はなんと『青木、定位置獲得』です。それほどミルウォーキーの地元ファンにとって、青木選手の活躍は衝撃的だったのでしょう。

 開幕して間もないころは、2年250万ドル(約1億9700万円)という非常に低い金額で契約した日本人選手に、ほぼ誰も期待していませんでした。それがプレイを重ねていくうちにどんどん活躍し、前半戦の終わりには打率3割、15試合連続ヒットもマーク。7月17日現在、打率.293・5本塁打・20打点・11盗塁と、彼の持ち味であるヒットと盗塁を積み重ねています。

 振り返れば、青木選手のレギュラー定着を決定づけたのは、以下の3つのプレイだったのではないかと思います。まずひとつ目は、4月17日のロサンゼルス・ドジャース戦。7回ワンアウト一、三塁から代打で登場し、一時勝ち越しとなるスクイズを決めてメジャー初打点を挙げました。試合後、青木選手は「野球をやっていて最高の瞬間」と興奮を隠し切れない様子で、チームメイトから盛大な祝福を受けていました。

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著者プロフィール

  • 福島良一

    福島良一 (ふくしま・よしかず)

    1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima

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