2012.06.06

【MLB】全チームが勝率5割超え。今、ア・リーグ東地区が熱い

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

オリオールズ快進撃の原動力となったのが、4番のアダム・ジョーンズだ 松井秀喜選手がメジャー昇格後、早々にホームランを2本も打つなど、ア・リーグ東地区の注目度はますます高まっています。例年以上に盛り上がっている理由は、やはり『メジャー最強地区』と呼ばれるこの東地区を引っ張ってきたのが、ニューヨーク・ヤンキースやボストン・レッドソックスではなく、ボルチモア・オリオールズ(30勝24敗・2位)だからでしょう。

 1998年以降、14年連続で負け越しているオリオールズがこの激戦区で首位争いを演じるとは、想像もできませんでした。昨年まで、オリオールズは4年連続で東地区の最下位。アメリカでは、オリオールズの快進撃を『メジャー開幕2ヵ月間で最大の驚き』と報じています。

 今年のオリオールズを見ていると、1960年代から70年代にかけて名将アール・ウィーバーが率いた『黄金時代』を思い出すような戦いぶりなんです。当時、ウィーバー監督は「相手を2点以内に抑えてスリーランで勝つ」というシンプルな哲学を打ち出し、強力な投手陣を軸に、バントやヒットエンドランや盗塁という小技をせずにランナーを溜めてホームランを打つ、という『勝利の方程式』で、黄金時代を築いたのです。

 その当時の勝ち方と今年は、非常に似ています。特にリリーフ陣がすばらしく、防御率はリーグ1位。1点差ゲームや延長戦など、接戦を制しているのは彼らのおかげでしょう。さらに打線も長打力が突出しており、強打者ぞろいのヤンキースやテキサス・レンジャーズを抑えて、メジャー最多のホームラン数を記録しました(現在メジャー2位タイの78本)。

 その驚異の破壊力を誇る打線を引っ張っているのは、5月27日に球団史上最高の6年総額8550万ドル(約68億4000万円)で契約延長した26歳の4番バッター、アダム・ジョーンズです。現在、打率.315・16本塁打・34打点と絶好調。パワーでねじふせる勝ち方は、かつての黄金時代を彷彿とさせます。しかも今年から、黄金時代に親しまれていた『カートゥーン・バード』というムクドリのキャラを、帽子のマークに復活させました。これも何かの縁でしょうか。