【MLB】ダルビッシュ、プホルス...。
なぜ西地区に大物選手が集まったのか?
エンゼルスはプホルスと10年で約198億円という大型契約を結んだ マリナーズとアスレチックスの日本開幕戦ではじまった今年のメジャーリーグ。この開幕戦に限らず、今年の関心は西地区に向いている。
このシーズンオフ、派手な動きで注目を集めたのはア・リーグ西地区のレンジャーズとエンゼルスだった。レンジャーズはダルビッシュ有のポスティングに推定5170万ドル(約40億円)の入札金を払った上に、6年総額6000万ドル(約46億円)という高額契約を結んだ。
エンゼルスはFAのアルバート・プホルスと10年2億5000万ドル(約198億円)というメジャー史上2番目の大型契約を結んだ。加えてレンジャーズからFAになっていた左腕のC.J.ウィルソンも5年7750万ドル(約60億円)で獲得した。
2年連続でワールドシリーズ制覇を逃し、今年こそはと意気込むレンジャーズと、そのレンジャーズの連覇を阻止して2009年以来のリーグ優勝を目論(もくろ)むエンゼルスのチーム強化への意欲が、これらの大型補強によく表れている。
しかし、疑問がふたつある。ひとつは、なぜこのふたつの球団がこんなに金持ちなのかということ。そしてもうひとつは、いつもFA市場で主役を演じるヤンキース、レッドソックスがなぜ積極的な動きを見せなかったかということだ。
じつは、このふたつの疑問は密接に関係している。その理由のひとつがテレビマネーの影響だ。レンジャーズは地元ケーブルテレビと20年で総額30億ドル(約2460億円)の独占中継契約を結んだ。エンゼルスもそれに対抗するようにケーブルテレビと17年25億ドル(約2050億円)という巨額の契約を結んだ。ここからの実入りが、大型補強の資金になっているというのだ。
それに対して、ヤンキースは自前のテレビ局YESチャンネルを設立していて、テレビマネーの利益はもう十分に享受しており、大きな上積みはない。レッドソックスもNESNというスポーツ局とすでに独占契約を結んでいて、新規の上乗せは期待できない。そうしたテレビマネーの有無が補強に響いたようだ。
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