【MLB】ブルワーズ青木宣親がようやく取り戻した『あの感覚』
開幕が近づくにつれて調子を上げてきたブルワーズの青木宣親 松井秀喜はいまだに所属先が決まらず、西岡剛は開幕を前にマイナー落ち。今シーズンのメジャーリーグの日本人野手はきびしい逆風にさらされている。その中にあって、キャンプ序盤は対応に苦しんでいたブルワーズの青木宣親が調子を上げてきた。
現地3月19日のレンジャーズとの試合では、先発したダルビッシュ有からチーム唯一の安打を放って打点を挙げた。この試合は第3打席にもメジャー通算261セーブのジョー・ネイサンから三塁打を放つなど3打数3安打3打点1盗塁と大暴れを見せて、首脳陣に猛アピール。
「ダルビッシュからは『打たないでください』って言われたけど、僕のほうが立場は危うい。必死なんだよっていう感じです」
活躍した試合のあとでも表情はきびしかった。
形式的なものではあるが、本拠地でのテストを受けて契約するという異例の形での入団。契約内容も日本で3度首位打者を獲得している選手としては決して高いとはいえない評価だった。先発出場が約束されているわけでもない。
ブルワーズの外野陣を見ると、リーグMVPのライアン・ブラウンは当確で、残りのふたつのポジションを青木も含めた4人が争う形だ。このうち、昨シーズンライトだったコリー・ハートはひざの手術で出遅れていて、開幕は微妙。しかし、他のライバルは昨シーズン3割をマークしたナイジェル・モーガン、チームが大きな期待を寄せる若手のカルロス・ゴメスと強力で、青木の評価は4番手、もしくは5番手。キャンプ序盤は打撃不振で、打率が1割台にまで落ち込んだこともあり、ポジション獲得はかなりきびしいと見られていた。
だが、中盤から徐々にいいあたりが出るようになり、打率も2割5分を超えるところまで来た。2度けん制に刺されて首をひねっていた走塁も3月22日の試合では1試合2盗塁を決めるなど本来の持ち味が出るようになった。
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