2012.02.14

【MLB】ダルビッシュに追い風となる『レンジャーズ流管理法』

  • 笹田幸嗣●文 text by Sasada Koji
  • photo by Getty Images

レンジャーズはポスティング史上最高額となる5170万3411ドルでダルビッシュの交渉権を得た レンジャーズのダルビッシュ有はメジャー流の野球に適応できるのか。2月23日のキャンプインを前に米メディアの検証記事が多く出回っている。彼らも野茂英雄の挑戦以来、多くの日本人選手を見てきた。その結果、ボール、マウンド、調整法、文化......それぞれが違うことを学んできた。

 一方、日本では識者や実際にメジャーでプレイした選手の声が紹介されている。そこでよく言われているのが、「メジャーで成功するためには様々な違いを気にしないこと。鈍感になれ」という意見である。たしかに、これは一理あると思うが、気にするか気にしないかは本人の性格次第であろう。環境の違いや周囲の声など、ほとんど気にならなかった野茂のような選手はいいが、気になってしまう選手に「気にするな」というアドバイスは無責任ではないだろうか。それよりも重要なことは、それぞれのチームが日本人選手に対して、どのような考え方を持ち、どのように管理していくのか、ということだろう。

 過去の例を見れば、投資総額が高ければ高いほど、メジャー球団は"自己流"の管理をしたがる。レッドソックスの松坂大輔が最たる例だ。逆に投資額の少ない選手は管理が厳しくない。背景にあるものは責任の所在である。乱暴な表現をすれば、高い買い物は「壊してはならない」、安い買い物は「壊れても仕方なし」である。

 ポスティング史上最高額でダルビッシュを手に入れたレンジャーズにとって、彼は間違いなく「壊してはならない宝物」だ。ならば、レンジャーズ流の方法で徹底管理していくだろう。だが、そこで思うことがある。それは「ダルビッシュはレンジャーズに入団して良かった」ということだ。