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【高校野球】大阪桐蔭、履正社の「2強」を脅かすはずが...大阪学院大高の異色の指揮官が語る「うまいけど強くない」の真意 (3ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Takahiro Kikuchi

【甲子園を遠ざけた見えない重圧】

 今秋の大阪大会は組み合わせ抽選で天敵の近大附と別ブロックに入り(近大附は3回戦で箕面学園に2対5で敗退)、大阪学院大高は初戦から盤石の戦いぶりを見せた。

 ところが、思わぬ落とし穴が待っていた。10月3日の準々決勝で関西創価に0対1で敗戦。この敗戦で近畿大会への道が閉ざされ、来春の選抜出場も絶望的となった。

 自信を深めつつあっただけに、落胆は大きかった。辻盛監督は「ガックリきています」と本音を明かす。

「『強いチームになる』という課題は、クリアしていたと思うんです。とくに4回戦で対戦した太成学院大高は、すごく強いチームでした。警戒すべき相手にコールド(8対0)で勝てたし、打線も守備も今大会は調子がよかったんです」

 ところが、関西創価戦では、序盤からチームの雰囲気が重かった。守備のうまい内野手が、普段ならありえないような送球エラーを犯した。辻盛監督が「どうした?」と尋ねると、その選手はこう答えたという。

「送球は高めに浮かしてはいけないとチームで決めていたので、低く投げないといけないと思って......」

 辻盛監督は「『強いチームにならないといけない』という思いが大きすぎたのかもしれない」と感じたという。打線は関西創価の先発投手・山本秀明の前に凡打を繰り返す。辻盛監督は、こんな誤算を明かしている。

「関西創価さんの勝ち上がりを見ると失点数が多くて、みんな『投手力がよくないチーム』と思ってしまっていました。いざ試合をすると立ち上がりの2、3イニングで点が取れなくて、焦っていました」

 強敵と警戒した太成学院大高戦では実力を発揮できたが、「打てるだろう」と構えた関西創価には後手に回ってしまった。

 頼みの林も、本来の伸びやかなスイングが見られなかった。この試合は登板せず、1番・右翼で出場していたが、3回裏、一死二塁の好機ではカウント3ボールから難しいコースの球を打って一飛に倒れた。辻盛監督は「珍しく焦っていましたね」と振り返る。

 4回以降も関西創価の術中にハマり、2安打完封負け。大阪学院大高は近畿大会に出場することすらかなわず、長い冬を迎えることになった。

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