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【ドラフト2026】選抜準優勝左腕に何が? 智辯学園・杉本真滉が明かした最後の夏の異変と運命の日への胸中

  • 谷上史朗●文 text by Shiro Tanigami

次代を担う逸材たち〜アマチュア野球最前線
第27回 智辯学園・杉本真滉(前編)

 大阪桐蔭時代の中田翔から、ドラフト直前に真顔で尋ねられたことがある。

「僕ってホントにかかります?」

 あの中田にして、そんな不安を抱くのか──。プロ野球選手を夢見る高校生にとって、「運命の日」がどれほど重いものなのかを実感した瞬間だった。

今年春の選抜で準優勝に輝いた智辯学園の杉本真滉 photo by Sankei Visual今年春の選抜で準優勝に輝いた智辯学園の杉本真滉 photo by Sankei Visualこの記事に関連する写真を見る

【選抜準優勝左腕を襲った試練】

 そんな20年近く前の思い出話を、今年のドラフト候補のひとりである智辯学園の杉本真滉(まひろ)に伝えると、大いに納得した様子で、今の心境を口にした。

「みんなそうじゃないですか。まあ、みんなかどうかはわからないですけど、だいたいはそうじゃないですか。今の自分も、プロに行ってからの楽しみとかより、指名いただけるかどうか......。頭にあるのはそこだけです」

 今春の選抜大会で5試合、42イニング、626球を投げ抜き、智辯学園を準優勝に導いた左腕だ。9月に台湾で開催された第14回BFA U18アジア選手権でも、スーパーラウンド、決勝と2度の韓国戦に先発。大舞台であらためてその実力を示した。

 だが、選抜以降の道のりは決して順調ではなかった。6月に話を聞いた際には、「選抜以上の結果を出したい」と夏への意気込みを力強く語っていた。それだけに、春以降、思うようにいかない日々を過ごしていたと知ったのは、夏が終わってからのことだった。

 選抜以上の結果を求めて臨んだ最後の夏は、奈良大会3回戦で幕を閉じた。敗れた相手は奈良大付。今や智辯学園、天理とともに県内3強を形成していると言ってもいい実力校だけに、決して大番狂わせではなかった。それでも、選抜準優勝校が大会序盤で姿を消した衝撃は大きく、当日の過酷な暑さとともに、その敗戦は広く報じられた。

 智辯学園の選手たちは攻撃中も三塁側ベンチで強烈な日差しを浴び続け、体調不良者が続出。試合途中には攻守の要である捕手の角谷哲人も交代を余儀なくされた。相棒を失った杉本も足がつるアクシデントに見舞われながら、7回、140球を投げて6失点。エースがマウンドを降りたあとに勝ち越しを許し、チームは敗れ去った。

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著者プロフィール

  • 谷上史朗

    谷上史朗 (たにがみ・しろう)

    1969年生まれ、大阪府出身。高校時代を長崎で過ごした元球児。イベント会社勤務を経て30歳でライターに。『野球太郎』『ホームラン』(以上、廣済堂出版)などに寄稿。著書に『マー君と7つの白球物語』(ぱる出版)、『一徹 智辯和歌山 高嶋仁甲子園最多勝監督の葛藤と決断』(インプレス)。共著に『異能の球人』(日刊スポーツ出版社)ほか多数。

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