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【ドラフト2026】選抜準優勝左腕に何が? 智辯学園・杉本真滉が明かした最後の夏の異変と運命の日への胸中 (2ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Shiro Tanigami

【エースを狂わせた小さな異変】

 敗戦から数日後、あらためて試合の映像を見た。画面越しにも当日の厳しい暑さが伝わってきたが、何より目を引いたのは杉本のピッチングフォームだった。

 選抜では背中を柔らかく使い、引き上げた左腕をきれいに縦に振っていた。ところが、映像の中の杉本は、春に比べて腕の出どころが明らかに低くなっていた。

 選抜時と同じく、右足を軽く開いたセットポジションから始動するものの、上体は春よりも前かがみ気味。そこからさらに一塁側へ体を傾けながら足を上げ、サイドハンドを思わせる腕の振りで投げ込んでいた。

 その一連の動きから思い出したのは、智辯学園の先輩で、2021年夏の甲子園準優勝に貢献した西村王雅のシルエットだった。杉本自身も憧れを抱くスリークオーターの左腕である。

 8月末、再び取材に訪れた際、まず小坂将商(まさあき)監督にフォームの変化について尋ねた。すると、春以降の不調の原因をうかがわせる話が返ってきた。

「夏に向かうなかで、上体がかぶってきていましたね。バッターが猫背になるとバットが遅れて差されやすくなるように、ピッチャーも背中が丸まると腕が遅れて、ヒジが上がってこない。そうなると、右打者の外角高めに力はあるけど外れる、いわゆる『ふける』ような球や、逆に引っかかる球が多くなって、左右にもブレるんです。

 体が元気なら、モーションの途中から上体が起きてヒジも上がってくるんでしょうけど、夏は疲れもあったでしょうから、そうもいかない。選抜で効果的だったカーブも抜けて、あまり使えなくなっていました」

 フォームの変化が気になりながらも、夏の大会が近づくなかで大幅な修正に踏み切るのは難しかったのだろう。杉本に尋ねると、春以降の苦悩を率直に振り返った。

「選抜のあとの1週間はノースローで、実戦も1カ月くらい空いてから投げ始めたんです。でも、6月になっても思うようなボールがいかなくて。沖縄の招待試合もいい感じではなかったですね」

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