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【ドラフト2026】選抜準優勝左腕に何が? 智辯学園・杉本真滉が明かした最後の夏の異変と運命の日への胸中 (3ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Shiro Tanigami

 思い当たる理由はあるのだろうか。

「選抜以上のボールを投げたい、周りも選抜よりもっとすごくなっていると思って見ているはず、とか考えながらブルペンで投げても、思うようなボールがいかなくて。ねじりを入れてみたり、力をためて投げてみたり、いろいろ試したら、それがまた余計にうまくいかない。フォームのどこが悪いというより、何かしっくりこない感じで。腕も春よりちょっと下がっていたと思いますし、正直、焦りはありました」

 夏の初登板となった奈良大会初戦の香芝戦では、先発して2回無失点。それでも杉本は「すっきりしない感じでした」と振り返った。

 選抜準優勝という結果がもたらした重圧。そして、夏の厳しい暑さによるコンディションへの影響。そうした要素が、杉本の投球に少なからず影を落としていた可能性はある。

【苦悩の夏を越えてつかんだ感覚】

 ただ、もうひとつ気になることがあった。

 春の杉本は、前年秋には数えるほどしか投げていなかった落差の大きなカーブを、効果的に使うようになっていた。カーブの割合が増えたことで、体全体を縦方向に使う動きが強まり、それがストレートの質の向上にもつながっていたように見えた。事実、6月の取材でも「カーブをしっかり投げられる形が、一番自分に合う投げ方だと思います」と話していた。

 一方で、カーブとスライダーの両立は、時として諸刃の剣にもなる。とくに高校生の場合、新たな変化球を覚えたことで、それまで得意としていた球種のキレや変化量が落ちるケースがある。杉本も、カーブを多投するようになったことで、本来の決め球であるスライダーのキレや変化量が落ち、それを取り戻そうと試行錯誤するうちに、ヒジの位置が低くなってしまったのではないか。

 そんな仮説も浮かんだ。

 本人もその可能性を否定はしなかった。しかし、明確な答えを見いだせないまま最後の夏を迎え、そのまま高校野球生活に幕を下ろしていた。

 それよりも、フォームが変化した理由以上に気になったのは、杉本の現在の状態だった。春のフォームは戻っているのか。思うようなボールを投げられるようになったのか。しかし、取材当日は投球の予定がなく、実際にその姿を確認することはできなかった。そこで本人に現在の状態を尋ねると、意外なほどあっさりと答えが返ってきた。

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