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【高校野球】「KK最後の夏」が次の黄金時代をつくった 中村順司が語る、桑田真澄・清原和博から立浪和義らへ受け継がれたもの (2ページ目)

  • 新田光●文 text by Hikaru Nitta

── 野手陣も個性的でした。

中村 捕手は、打力があり、リードも攻撃的な杉本隆雄と、視野が広く、投手と献身的に向き合う今久留主成幸。それぞれ違ったよさがありました。内野では、強肩でフットワークのいい遊撃手・安本政弘が守備の要でした。清原は打撃ばかり注目されましたけど、一塁の守備もうまかったですよ。

 三塁手の笹岡伸好は、派手さはありませんがしぶとい打者でしたし、松山も夏には3番を打つまでに成長しました。外野では黒木泰典が打撃センスのある選手でした。パンチ力があって左右に打ち分けることもできる。内匠政博は足が速く、肩も強くて、守備範囲が広かった。本間俊匠も俊足で勝負強かったですね。

【受け継がれたPLの強さ】

── 春の選抜では決勝進出を逃しました。準決勝で伊野商の渡辺智男投手に抑えられた試合です。

中村 渡辺くんは、私が高校野球で対戦した投手のなかでも、松坂大輔くん、水野雄仁くんと並んですばらしいと感じた投手のひとりです。清原は3三振でした。その日の夜からですよ。室内練習場で、最速に設定したピッチングマシンを相手に、遅くまでひとりで打ち込むようになったんです。桑田も伊野商に負けた日から夏まで、驚くほど走り込みました。

── 春の敗戦がふたりを、さらに変えたと。

中村 そう思います。清原はバットを振り、桑田は走る。もちろん彼らだけではありません。3年生全員が「夏は絶対に優勝するんだ」という強い気持ちを持っていました。だからこそ、夏の宇部商との決勝であれだけの試合をして、日本一になれたのだと思います。

── その姿を、後輩たちも見ていました。

中村 そうなんです。その年に入学してきたのが、立浪和義、野村弘樹、橋本清、片岡篤史らでした。入学していきなり、桑田や清原の練習を目の当たりにするわけです。あとになって彼らから聞きました。「寮に戻ってきた桑田さんを見て、雨が降ってきたのかと思った」と。それくらい汗びっしょりになるまで走っていたというんです。

 そういう先輩たちの姿を見て、自分たちはもっとやらなければならないと思って練習する。立浪たちの代もほんとによく練習してきた。その積み重ねが、2年後の春夏連覇につながっていったのではないでしょうか。

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