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【夏の甲子園2026】「目立つことで叩かれることもある。でも...」 感情むき出しの高川学園・木下瑛二を指揮官が抑えなかった理由 (2ページ目)

  • 元永知宏●文 text by Tomohiro Motonaga

 初戦同様、テンポよく投げ込み、4回までわずか1安打に抑えて無失点。5回にピンチを招いたものの、投手ゴロを自ら処理して併殺を完成させ、この回も無失点で切り抜けた。すると木下はマウンド上で拳を握りしめ、雄叫びを上げた。

 しかし、3対0とリードして迎えた6回、木下は3連打を浴び、さらに四球を与えたところで降板。マウンドを宮崎隆成に譲り、自身はレフトに回った。その後、逆転を許し、3対6で9回を迎えた。木下は再びマウンドに上がると、天理打線を無失点に抑えた。

 試合後、涙をこらえながら木下はこう言った。

「集大成となる大会で負けてしまったことは悔しいです。でも、甲子園でプレーできたことは本当に幸せでしたし、自分にとって宝物になりました。一番印象に残っているのは、ピッチャーゴロでふたつのダブルプレーを取った場面です。球場もものすごい盛り上がりでした」

【甲子園に出場するたびに成長してきた】

 木下にとっては、昨夏、今春に続いて3度目の甲子園出場だった。

 1年前の夏は日大三(西東京)戦に先発したものの、初回に5安打を浴びて5失点。2アウトしか取れずに降板した。今春の選抜では英明(香川)戦に登板。5安打に抑えながらも7四死球を与え、5失点を喫して敗れた。

 調子がよければすばらしい投球を見せる一方、ひとたび気持ちが乗らないと、投球まで崩れてしまう。思いどおりに投げられない苛立ちが、そのまま仕草に表われることもあった。しかし、3度目の甲子園では違った。

 3度の甲子園を経験して、自身の投球はどう変わったのか。木下はこう語る。

「悔しいことも含めて、いろいろな経験をさせてもらいました。その経験があったからこそ、最後の夏はストライク先行で、三振を狙うよりも打たせて取るピッチングができました。今後の課題は、もっとボールの質を上げることです。自分の一番の持ち味は、ストレートと気迫のこもった投球です」

 木下の成長を見守ってきた高川学園の松本祐一郎監督はこう語る。

「急成長と言えるほどのスピードではありませんが、甲子園に出場するたびに、着実に成長してきました。今日の負けも悔しかったでしょうし、この経験を糧に、これからも伸びていくはずです。甲子園での経験は、それだけ選手を成長させてくれますから」

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