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【夏の甲子園2026】「青春って密なので」の原点はあの夏の惨敗 仙台育英・須江航が明かす"日本一1000日計画"のすべて (3ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Takahiro Kikuchi

 試合後の囲み取材で、須江監督は鈴なりのメディアを前にこんな宣言をしている。

「1000日以内に甲子園で優勝したいと思います」

 2年では時間が足りない。全国のトップ校に追いつき、追い越すには3年弱は必要。そんな思いから「日本一1000日計画」が始まった。

【2022年夏に悲願の全国制覇】

 フィジカル、スキル、メンタル。日本一になるために必要な要素は多岐にわたった。ただし、一度にすべての要素を引き上げるのは、至難の業だった。須江監督は「今年は投手力、翌年は打撃力と毎年何らかのテーマを決めて、一つひとつ獲得していきました」と振り返る。結果的に浦和学院戦の大敗から1000日以上かかったものの、2022年夏の全国制覇へとつながった。

 翌2023年夏の甲子園初戦で、仙台育英は再び浦和学院と相まみえる。両校は2013年夏にも対戦しており、その時は仙台育英が大激戦の末に11対10でサヨナラ勝ちを収めた。不思議なことに、5年ごとに甲子園で対戦する奇縁が続いている。

 2023年の仙台育英は高橋煌稀(早稲田大)、湯田統真(明治大)、仁田陽翔(立正大)ら豪華投手陣を擁しており、須江監督はロースコアの展開を想定していた。春には練習試合を戦い、仙台育英が敗れている。監督は森士監督から息子の森大監督に代わっていたが、須江監督は「やっぱり浦学は強いな」と実感していた。

 ところが、試合は思わぬ展開になった。序盤から仙台育英打線が爆発し、19安打で19得点を奪う。一方、浦和学院打線も18安打を放ち、9得点。最終的に10点差がついたとはいえ、須江監督にとって気が気ではない試合だった。

「あんなに打てた試合も、打たれた試合もありません。抽選会の前に森士さんからお電話をいただいて、『当たらないようお願いします』なんて話をさせてもらっていたんです。でも、意外とそういうことを言っていると、当たってしまうものなんですよね。浦学さんとは、不思議なご縁がグルグル回っていると感じます」

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