検索

【高校野球】エース不在の山梨学院を支えた2年生左腕 渡部瑛太が春に積み上げた経験と夏への期待 (2ページ目)

  • 元永知宏●文 text by Tomohiro Motonaga

 一方、渡部はこう振り返っていた。

「5回のピンチに伝令として菰田さんがマウンドまで来てくれて、『自分のピッチングをしろ』と言われて落ち着きました。後半はカットボールとスライダーのキレが少し悪くなり、球速も落ちてきたので、次は最後まで投げられるようなピッチングをしたいですね。公式戦で9回途中まで投げたのは初めてです」

 準々決勝で専大松戸(千葉)に敗れたが、渡部は先発して8回途中まで2失点と好投した。

【春の関東王者相手に堂々の投球】

 そして選抜後、山梨学院は春の県大会、関東大会へと進んでいく。その過程で、渡部はさらにたくましくなった。

 大きかったのは、"エース"としてマウンドに立つ経験を積めたことだ。

 これまでは上級生を支える立場だった。しかしこの春は、相手からすれば真っ先に攻略対象となる存在。常に試合をつくらなければいけない立場となり、その責任感が渡部を成長させた。

 先述した横浜戦は、今後を占う意味でも価値のある登板だった。

 横浜打線は、選球眼、対応力、スイングスピード、どれを取っても全国トップクラス。少しでも甘く入れば長打にされる。その相手に対し、渡部は逃げなかった。

 もちろん失点はした。それでも、序盤に崩れず、失点後にも立て直しながら最後まで投げ抜いた。全国トップレベルを体感した経験は、夏へ向けて間違いなく財産になる。

 山梨学院は近年、全国レベルの投手育成で実績を残している。そうした環境のなかで、渡部自身も試合ごとに修正を重ねている。実際、この春だけでもマウンドさばき、フィールディング、投球テンポなど、細かな部分に成長が見えた。

 夏に向けて、山梨学院の投手陣はさらに厚みを増していく可能性が高い。菰田、檜垣も戻ってくるだろうし、選抜でリリーフとして存在感を示した3年生の木田倫大朗もいる。全国でも屈指の陣容だが、そのなかで渡部が台頭してきた意味は大きい。

2 / 3

  • Googleで優先するソースとして追加

Googleの「優先ソース」について

キーワード

このページのトップに戻る