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部活動はどこへ向かうのか 外部委託の先で教員たちが手放したくない指導の醍醐味「野球だけを教えたいわけじゃない」 (3ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro

出雲での合同練習会に参加した選手、指導者たち photo by Tanigami Shiro出雲での合同練習会に参加した選手、指導者たち photo by Tanigami Shiroこの記事に関連する写真を見る 当時、ベースボールスピリッツでは奥村が理事長を務め、宝塚ボーイズの代表、副代表、コーチらが理事として名を連ねていた。

「理事として先生たちに入ってもらい、子どもたちを指導することで、その分の報酬を支払うこともできます。出雲に15ほどの中学校があるなら、地区を3つか4つに分けて、ひとつのNPOから各地区へ先生を派遣するというイメージです」

 NPO法人の主な収入源は、会員による「会費」、活動を支援する「寄付」、そして各種「助成金」などだ。ベースボールスピリッツでは、中学生が小学生に指導する野球教室や、中学生自らが運営を担う野球大会、さらには各地へ出向いて行なうボランティア活動など、斬新な取り組みを地域企業の理解と支援を受けながら行なっていた。

「活動を応援してもらうお返しとして、ユニフォームに企業のロゴを入れたり、広報誌に広告を掲載したり、子どもたちの自転車にステッカーを貼ることもできます。NPO法人として活動することで、地域と子どもたちが触れ合う機会も生まれる。そうやって、"地域で子どもを育てる"という空気を高めていけたらいいと思うんです」

 NPO法人での活動となれば、教員は兼業という立場になる。その点について、ある教員からこんな声が出た。

「教員の兼業は基本的には認められていませんが、教育的な内容であれば、兼業申請を行なえばおそらく問題ないと思います。実際、知り合いの教員には、Jリーグのユースチームで指導をしている人もいて、学校勤務の後に現場へ向かっています。

 ただ、これまで私たちの周りには、サッカーのユースチームに相当する"受け皿"がありませんでした。でも、NPO法人がその本体になれば、部活動がなくなったとしても、教員が野球指導を継続できる道が見えてくると思います」

【NPO法人で活動することのメリット】

 さらに奥村は、NPO法人で活動することのメリットを付け加えた。

「NPO法人になることで、社会的な信用が生まれますし、お金の面がクリアになる。これはとても大きいことだと思います」

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