検索

【ドラフト】「この分野にかけてはピカイチ」 唯一無二の武器でプロ入りを目指す10人の実力者たち (2ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro

55試合で42盗塁を記録した栃木ゴールデンブレーブスの桃次郎 photo by Kikuchi Takahiro55試合で42盗塁を記録した栃木ゴールデンブレーブスの桃次郎 photo by Kikuchi Takahiroこの記事に関連する写真を見る

【プロ顔負けのポテンシャルを誇る4人】

 独立リーグには足の一芸を売りにする選手が多いが、今年は遠藤桃次郎(登録名・桃次郎/栃木ゴールデンブレーブス)の存在感が際立っている。

 身長170センチ、体重65キロの小兵ながら、BCリーグでは今季55試合で42盗塁と荒稼ぎした。一歩目から体のキレがあり、積極的にスタートを切れる度胸も光る。白鷗大では福島圭音(阪神育成)の1年後輩も、台頭したのは4年時と遅咲きだった。NPBの大舞台で、独立リーガーのしぶとさをアピールしたい。

 守備面の一芸を誇る好素材も紹介しよう。まず強肩では、山本嘉隆(九州国際大付)の名前は外せない。シートノックで披露する中堅からのレーザービームには、たとえ野球に詳しくない人でも衝撃を受けるはずだ。しっかりと指にかかったボールは、ぐんぐんと勢いを増して捕手のミットに迫ってくる。

 いずれは辰己涼介(楽天)を目指せるだけの器だろう。とはいえ、今夏は背番号10をつけ、リリーフ投手に専念した。最速146キロを計測するなど、福岡大会準優勝に貢献している。スカウトは速球派投手として評価するか、それとも潜在能力が眠る外野手として評価するか。山本は育成ドラフト指名でもプロに進む意向を示している。

 守備の名手も内外野に分けて触れていこう。内野手では、新保茉良(東北福祉大)のフィールディングに一見の価値がある。遊撃のレギュラーに定着したのは4年春と遅かったが、玄人好みの実力派だ。吸い込まれるような捕球技術で、難しいバウンドも難しく見せない。

 外野手では大島正樹(創価大)を推薦したい。前後左右、どんな打球でも追いつく広大な守備範囲は岡田幸文(元ロッテ)を彷彿とさせる。同期の立石正広目当てで視察に訪れたスカウトを、いかに虜にできるか。プロでも中堅を守れる人材は希少だ。

【3人の個性派投手たち】

 投手では個性派の3選手をピックアップしたい。まず、球威の一芸に長けているのはシャピロ・マシュー・一郎(富山GRNサンダーバーズ)だ。身長193センチ、体重105キロの巨体から投げつける剛速球は、捕手のミットを破壊しそうな迫力がある。

2 / 3

キーワード

このページのトップに戻る