【夏の甲子園2025】「プロを選んでほしかった」とスカウトが惜しんだ逸材たち なぜ彼らはプロ志望届を出さないのか (3ページ目)
【スカウトたちの感想は?】
一方、プロ志望の選手が少ない現状について、スカウト側はどう感じているのか。DeNAの河原隆一スカウトはこんな見方を示した。
「ドラフト上位レベルの力があれば、プロ志望届を提出するはずです。ただ、突き抜けた存在ではない場合は、大学などでワンクッションを入れて『4年後に上位でプロに行きたい』と考える選手が多いのでしょう。高校側もそうした進路指導をしているケースが多い印象です」
また、日本ハムの大渕隆スカウト部長は今夏の甲子園にプロ注目選手が少なかった背景について、このように考察する。
「今年の高校生は、ドラフト候補と呼べる母数が少なかった印象があります。また、甲子園にたどり着く前に敗れてしまった有望選手も多かった。『大学・社会人に進むドラフト候補が多い』といっても、その点を見落としてはいけないと感じます」
たとえ数は少なくても、本気で高卒でのプロを狙う選手がいるのも確かだ。石山愛輝(中越)のように、「いい選手が(プロに)行かないということは、枠が増えるので。むしろありがたい」と語るプロ志望選手もいる。
プロを目指すルートは、ひとつだけではない。それぞれの道を突き進み、いずれ最高峰で輝く選手がひとりでも多く現れることを祈りたい。
著者プロフィール
菊地高弘 (きくち・たかひろ)
1982年生まれ。野球専門誌『野球小僧』『野球太郎』の編集者を経て、2015年に独立。プレーヤーの目線に立った切り口に定評があり、「菊地選手」名義で上梓した『野球部あるある』(集英社/全3巻)はシリーズ累計13万部のヒット作になった。その他の著書に『オレたちは「ガイジン部隊」なんかじゃない! 野球留学生ものがたり』(インプレス)『巨人ファンはどこへ行ったのか?』(イースト・プレス)『下剋上球児 三重県立白山高校、甲子園までのミラクル』(カンゼン)など多数。
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