名前の由来は藤川球児 西条・宇佐美球児は甲子園出場ならずもラストゲームで12奪三振の快投 (3ページ目)
6回裏に西条は1点を先取し、あとは3イニングを守りきるだけ。そのプレッシャーがエースに重くのしかかる。7回以降、宇佐美のストレートは頻繁に抜け、スライダーは引っかけ、制御できなくなっていた。
「少し球が浮き始めて、それを抑えようとしてフォームのバランスを崩した感じです。なかなか点が取れないなか、抑えないといけない焦りから、体が突っ込んでフォームに影響したのかなと思います」
守備の乱れもあり、西条は8回表に3点、9回表に1点を失う。試合はそのまま終わり、宇佐美の夏が終わった。
【今後の進路は未定】
宇佐美が今年に掲げていた目標は、「甲子園出場」と「高卒で支配下でのプロ入り」。この日の敗戦で甲子園行きはなくなり、宇佐美は大粒の涙を流した。一方で、後者の実現も際どい状況になりそうだ。
6回までに12奪三振という成績は鮮烈だった。ただし、今夏にアピールしたドラフト候補左腕と比べて、宇佐美の資質が飛び抜けて高いとは言いがたい。育成ドラフト指名でもプロ入りする意思があるかを聞くと、宇佐美は「まだ決めていません」と答えた。今後、進路について熟考することになりそうだ。
出力面は課題ながら、言い換えれば「伸びしろがある」ということでもある。精度の高い変化球をコントロールできる技術面を高く買うスカウトもいるだろう。宇佐美が「勝てる投手」になれる素養は、十分に示せたはずだ。
宇佐美球児の名前が、全国に知れ渡る日はくるのか。その歴史は、まだ始まったばかりだ。
著者プロフィール
菊地高弘 (きくち・たかひろ)
1982年生まれ。野球専門誌『野球小僧』『野球太郎』の編集者を経て、2015年に独立。プレーヤーの目線に立った切り口に定評があり、「菊地選手」名義で上梓した『野球部あるある』(集英社/全3巻)はシリーズ累計13万部のヒット作になった。その他の著書に『オレたちは「ガイジン部隊」なんかじゃない! 野球留学生ものがたり』(インプレス)『巨人ファンはどこへ行ったのか?』(イースト・プレス)『下剋上球児 三重県立白山高校、甲子園までのミラクル』(カンゼン)など多数。
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