【高校野球】創部5年目の福岡・八女学院がベスト8進出 指揮官は新庄剛志、牧原大成らを育てた74歳の名伯楽 (2ページ目)
「9回に降板した時は悔しかったですけど、監督さんから『よく頑張ったぞ』とも言われましたし、自信を持ってあとに託しました。自分はスライダーが得意で、それを軸に直球を見せ球にする投手を目指しているので、70点ぐらいの投球はできたかなと思います」
全国に石飛の名が知れ渡ったのは、一昨年の2023年だ。学校創立100周年記念事業の一環として行なわれた横浜(神奈川)との招待試合に1年生ながら先発し、3対4と好試合を演出。緒方漣(現・國學院大/侍ジャパン大学日本代表)や、同学年で現主将の阿部葉太(3年)ら強打者を相手に臆することなく140キロ近い直球を投げ込み、10安打を浴びながらも9回を投げ抜いた左腕の噂は瞬く間に拡散された。
ただ、その後は腰椎分離症などケガに見舞われ、体に負担のかかりにくい投球スタイルに変更。130キロ台前半に抑えた直球を見せ球に、得意のスライダーを武器に要所で三振を狙いにいく。今年6月の練習試合では横浜と2年ぶりに再戦。試合には負けたが6回1失点と手応えをつかんで夏に臨んだ。
「最速は138キロですが、思い切り投げると力んでしまう癖があるので、抑えながらやっています。横浜とは2回とも負けているので、次は3度目の正直ということで、甲子園で当たったら勝ちたいなと思っています」
【グラウンドを拡張しブルペンも新設】
石飛は北九州市出身。中学時代は硬式クラブのダイナマイトボーイズで活躍し、甲子園常連校からも誘いがあったという。しかし、その素材に惚れ込んだ末次監督が何度もグラウンドに足を運ぶ姿に心が傾き、八女学院へと入学した。
八女学院はこの石飛らが3年生となる2025年に上位へと進出すべく、設備面の強化にも力を入れてきた。他クラブと共用のグラウンドは左翼、右翼ともに約10メートル拡張。昨年6月には、一度に6人が投げられる屋根付きのブルペンが新設されたことで、投手力の育成に力を入れられるようになった。石飛は「グラウンドも広げてもらったので、外野ノックが増え、実戦練習が増えました。バックが守ってくれて、本当にうれしかったです」とナインに感謝する。
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