【高校野球】プロ注目のスラッガー、昌平・櫻井ユウヤを支える母の愛 弁当100個に込めた甲子園への願い (3ページ目)
大きな車を買うことはできず、借家で暮らし、外食をすることもほとんどない。それでも、リンダさんは「どこでも寝られるもんね」と笑った。その表情からは、ユウヤと同様に陽のオーラが溢れていた。
「誰に言っても信じてもらえないことが、いっぱいありました。私は、野球の神様がユウヤを支えてくれていると思ってます。ユウヤの運がいいから、私にもどんどん幸せが集まってくる。私の店もいいスタッフばかり。昌平高校は選手も親も、いい人しかいない。監督さん(岩崎優一監督)は野球だけじゃなくて、学校生活もしっかり指導してくれるすごい人。ここはみんながひとつになれる、すごい学校です」
昌平は21日に上尾との5回戦を戦う。花咲徳栄戦で徹底マークを受けた櫻井は、2死球を受けるなど2打数0安打に終わった。それでも、今夏は3試合で7打数4安打6打点と、好調をキープしている。
愛情深い母が信じる「野球の神様」は微笑むのか。その先に、昌平にとって初めての聖地が待っている。
著者プロフィール
菊地高弘 (きくち・たかひろ)
1982年生まれ。野球専門誌『野球小僧』『野球太郎』の編集者を経て、2015年に独立。プレーヤーの目線に立った切り口に定評があり、「菊地選手」名義で上梓した『野球部あるある』(集英社/全3巻)はシリーズ累計13万部のヒット作になった。その他の著書に『オレたちは「ガイジン部隊」なんかじゃない! 野球留学生ものがたり』(インプレス)『巨人ファンはどこへ行ったのか?』(イースト・プレス)『下剋上球児 三重県立白山高校、甲子園までのミラクル』(カンゼン)など多数。
フォトギャラリーを見る
3 / 3