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メジャーのスカウトが注目する智辯和歌山出身のハワイ大の二刀流、武元一輝がアメリカに渡った理由 (2ページ目)

  • 山脇明子●取材・文 text by Yamawaki Akiko

【ハワイ大2年目は主力として飛躍】

武元は二刀流選手として打撃でも際立つ才能を見せている photo by Hawaii Athletics武元は二刀流選手として打撃でも際立つ才能を見せている photo by Hawaii Athletics 1年生の時は20試合の登板(先発3)で3勝1敗5セーブ、打者としては16打数5安打で打率.313ながら「主にリリーフ、主に代打」だったが、2年生では「先発投手、先発DH」に立場が変わった。ケープコッドリーグでは、ニコルソン監督の「故障を招くことはしたくなかった」との配慮もあり、投手として起用されただけだったが、ヒル監督は、「パワーが増し、とてもいい打球速度を出している」と打撃の中軸を任せ、シーズン半ばには打率.379を記録。投手としては、レギュラーシーズン13試合の先発登板(計14度の登板)で2勝5敗だったが、5回以上を投げて自責点2以下に抑えながら、勝ち星がつかなかった、または負け投手となった試合が6試合あった。

 同監督は、「一輝は強肩で複数の球種をうまく投げ分ける。彼のカッターに打者は困惑する」と評価する。武元の持ち球は、ストレート、カーブ、スライダー、カット、チェンジアップ、スプリット。球速は、昨年の時点でそれまでの最速151キロから153キロに、そして現在は154キロまで伸びている。

 その一方で武元は昨年との違いを「考え方」を挙げる。

「どこで自分がどうしたいのか、マインドがクリアになっている。タイミングや緩急など、どうしたらバッターが嫌なことかというのも考えながらできています」

 そして「僕、バッターもやっているので、『このカウントだったら待っていないだろうな』っていう球を投げてみたりとか。まだ完成ではありせんが、いろいろ試しながらやっています」と語るなど、成功に向けての研究は尽きない様子だ。

 打撃について向上した部分についても、「頭の整理とアプローチの仕方」と話すなど、メンタル面で成長を感じている武元。もちろん「全体的に筋力も出力も上がっている」と、パワーアップに取り組んできたことも向上の要因だ。

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