検索

中学時代のチームメイト・工藤泰己と髙谷舟が北海学園大で再会し、ドラフト上位候補になるまで (3ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro

【全国でも戦えることを示したい】

 一方、髙谷は関東遠征で登板できなかったものの、特別な悲壮感はない。工藤が158キロを出した際には、ブルペンで見ていたという。

「すごいなと思いましたし、悔しいなとも思いました。でも、焦りすぎるのもよくないですし、自分も投げたら(最速を)更新できるだろうなとも思っています」

 鹿児島でのキャンプでは早くも150キロを計測しており、感触はいい。昨秋までは腰痛に苦しめられたが、現在は順調に回復している。

 髙谷の大きな武器は、工藤も認めるストレートの球質にある。平均して2400〜2500回転(rpm)と高水準だが、冬に「自分の体に合った投げ方を練習してきた」と手応えを深めた。さらに縦のカーブやスライダーにも自信を持つ。

 あとは実績を残すだけ。工藤も髙谷も全国大会での登板経験はなく、リーグ戦でも圧倒的な結果を残したシーズンはない。そのことは本人たちが一番痛感している。

 誰もが「マイペース」と口を揃える高谷であっても、その点は危機感を隠さない。

「ここまで騒がれるような実績もないですし、自分の投球にまったく納得していません。でも、まだまだ伸びる要素はたくさんあると感じています。まずはリーグ戦でチームを勝たせる投球をして、自分が投げる試合は無敗でいきたいです」

 そして、その先に待っているものは何か。髙谷は不敵に笑って、こう続けた。

「北海道の大学でも、全国で戦えるということを示したいです」

 関東遠征を終えて、札幌へと帰る北海学園大の選手たち。髙谷は「北海道はまだ雪が残っているんです」とつぶやいた。

 札幌学生リーグの開幕は5月1日。北の怪腕たちは、大きな野望を秘めて春を待つ。

プロ野球見るなら『DMM×DAZNホーダイ』がおすすめ。
月額3,480円で視聴可能!

>>> DMM×DAZNホーダイ に今すぐ登録 <<<

パ・リーグ主催試合が見放題!過去6,000試合以上も!
月額1,595円(税込)〜!ファンクラブ割ならさらにお得!
PC、スマホ、TVで楽しもう!

>>> 「パーソル パ・リーグTV」の詳細はこちら! <<<

著者プロフィール

  • 菊地高弘

    菊地高弘 (きくち・たかひろ)

    1982年生まれ。野球専門誌『野球小僧』『野球太郎』の編集者を経て、2015年に独立。プレーヤーの目線に立った切り口に定評があり、「菊地選手」名義で上梓した『野球部あるある』(集英社/全3巻)はシリーズ累計13万部のヒット作になった。その他の著書に『オレたちは「ガイジン部隊」なんかじゃない! 野球留学生ものがたり』(インプレス)『巨人ファンはどこへ行ったのか?』(イースト・プレス)『下剋上球児 三重県立白山高校、甲子園までのミラクル』(カンゼン)など多数。

フォトギャラリーを見る

3 / 3

キーワード

このページのトップに戻る