【選抜高校野球】スカウトたちが「ほしい」と評価した2人の野手 「見ていてワクワクする」 (2ページ目)
「守備型のショートですよね。秋よりはグラブが下りるタイミングがよくなった。守りは成長しています。ただ、打つ方が弱いので、力をつけてもらいたいですね」(セ・リーグスカウトD氏)
「この大会では印象に残る結果を出せなかったけど、それなりにやれていた印象です。特筆すべきものがあるわけではないですけど、プロに行けばなんだかんだ一軍で出るような選手になるんじゃないかな。阪神でプレーする小幡竜平も、延岡学園時代はそんな評価だったような気がします」(パ・リーグスカウトC氏)
【ほかに名前が挙がった4人の野手】
残念ながら、現時点でプロが「ほしい」と思うのはこの2選手のみ。ただ、これではあまりにも淋しいので名前が挙がった選手を紹介する。
イーマン琉海(エナジックスポーツ・内野手)
「足もあるし、バッティングもいい。あの能力があって、もし体が大きかったら(164センチ、65キロ)上位候補ですよ。甲子園の舞台であれだけやれる(2試合連続4安打)というのも魅力。乗った時はすごいね」(セ・リーグスカウトB氏)
岡部飛雄馬(敦賀気比・内野手)
「165センチ、66キロと体は小さいけど、センスを感じました。バッティングも小力(こぢから)があるよね。ただ彼のようなタイプは、全方向にヒットを打てるようにならないと厳しい。意識を変えて練習してほしいですね」(パ・リーグスカウトC氏)
蛯名翔人(青森山田・内野手)
「長打も打てるし、大型のセカンド(183センチ、89キロ)として魅力はあります。ただ、スローイングが悪く、守備はセカンドが精一杯。夏までにどれだけバッティングでアピールできるか」(セ・リーグスカウトD氏)
福元聖矢(智弁和歌山・外野手)
「バットは振れるし、バッティングは悪くない。打席での雰囲気はありますね」(パ・リーグスカウトA氏)
特に野手に関しては、現時点では名前を挙げてもらうのもひと苦労という感じの大会だった。プロ側からすれば、「ちょっと面白い。夏の大会まで見たい」というレベルの選手はすでに進学を希望しているという面もあり、熱心になれないという事情もある。
ただ、高校生は春から夏にかけて大きく伸びる選手が出てくる。冬に鍛えた体で実戦をこなし、夏の大会では、大きく成長した選手が出てくることを期待したい。
著者プロフィール
田尻賢誉 (たじり・まさたか)
1975年、神戸市生まれ。学習院大卒業後、ラジオ局勤務を経てスポーツジャーナリストに。高校野球の徹底した現場取材に定評がある。『明徳義塾・馬淵史郎のセオリー』『弱者でも勝てる高校野球問題集173』(ベースボール・マガジン社刊)ほか著書多数。講演活動を行なっているほか、音声プラットフォームVoicy(田尻賢誉「タジケンの高校野球弱者が勝つJK」/ Voicy - 音声プラットフォーム)でも毎日配信している。
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