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甲子園Vの京都国際が練習に取り入れている「脳トレ」メニューとは 選手たちは手応え (3ページ目)

  • 佐藤主祥●取材・文 text by Sato Kazuyoshi

【ライフキネティックは継続してこそ意味がある】

 こうしたトレーニングを続けることで、京都国際は2016年以降、成績は右肩上がり。2018年に京都の秋季大会で準優勝、2021年にセンバツ初出場を果たし、今年は春季近畿大会と夏の甲子園で初優勝を成し遂げた。小牧監督は「以前のようなミスがなくなってきた」と選手たちの成長を振り返る。

 さらに、今夏の戦いを通じて「ボールの見極めであったり、冷静に状況を把握しないといけない時に、より正しく、成功の確率が高い判断ができるようになった」と実感している様子だった。

 チームのリードオフマンである3年生の金本祐伍は、バッティングでライフキネティックの効果を感じていたという。

「トレーニングをこなすことで、打席のなかで思ってもいないボールが来ても反応できるというか、簡単に打ち取られなくなったんです。反射的にボッとバットを出せる感覚があって」と、金本は具体的な内容を説明した。

 とはいえ、ライフキネティックは即効性のあるトレーニングでもなければ、そもそも「競技力向上のためのメソッド」ではない。あくまで「脳を活性化するためのプログラム」である。

 彼らが野球の面で能力向上を実感するまでに至ったのは「継続力」があってこそ。奥田氏が「めちゃくちゃ真面目に取り組む子たちばかり」と話すように、トレーニングを続けたことで、期待する運動のパフォーマンス向上に結びついている。

「継続しないと、強くならないぞ」

 小牧監督と奥田氏が8年間、選手たちに伝え続けてきたこの言葉が、頂点をつかんだチームのすべてを物語っている。

終わり

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