甲子園Vの京都国際が練習に取り入れている「脳トレ」メニューとは 選手たちは手応え (2ページ目)
【脳トレ要素を加えたチームビルディング】
中盤から終盤にかけては、より難易度の高いトレーニングを取り入れていく。まず4人1組のグループで円を作り、それぞれが黄色いボール3個、青いボール1個を時計回りにパス。その後、横に1歩移動し、笛が鳴ったらパスする方向、ステップともに逆回りにする、というメニューだ。
4人1組でボールをパスし合う選手たち
そのなかで、笛が2回鳴ったら青いボール保持者が、黄色いボール保持者にタッチをしにいく。ただし、両者とも一歩しか動くことができないため、瞬時の判断、瞬発力が試される。
ちなみに、タッチされた人、あるいはタッチできなかった人は、立っている状態からしゃがみ込んで腕立て伏せの体勢になり、そのまま立ち上がるバーピージャンプを2回行わなければならない。
この罰ゲームの瞬間が、この日一番の盛り上がりに。体育館に笑い声が響き、ライフキネティックを実践する選手たちの楽しそうな姿からは、チームワークの高さがうかがえた。
また、この日は行なわれなかったが、ライフキネティック要素を取り入れたチームビルディングは、選手たちの絆を深めるうえでは欠かせない。
まず選手全員が円になり、ひとり1球持っているテニスボールを隣の選手にパスしながら横にステップで移動する。途中でボールを落としたり、ステップする方向を間違えたりすると失敗。足を進める方向とは逆にボールをパスすることもあるため、全員がノーミスでクリアするには、プレッシャーに負けない精神力、強い団結力が必要となる。
3年生の藤本陽毅主将は、チームビルディングに関して「ひとりでも心がブレたら失敗する。強かった歴代の先輩たちも成功しているので、キャプテンの僕が一番冷静に、気持ちを込めて取り組んでいます」とこのメニューの重要性を語った。
実際に今夏の京都大会直前、京都国際の部員61名全員で成功し、よりいっそうチームワークを強化。その後の甲子園初優勝へとつなげていった。近くで見守っていた奥田氏も「その時の集中力はすごかった」と目を細めていた。
2 / 3