甲子園優勝の京都国際・小牧監督が明かす8年間継続するトレーニングの正体 「脳活性化プログラム」
京都国際高野球部×ライフキネティック 前編
【脳活性化 "ライフキネティック"とは】
「うちは、どの高校もやっていないことをやっている。約8年間継続できている。それが強みとなり、チームのなかで大きな自信となっているんです」
今夏の甲子園で初優勝を遂げた京都国際高校の小牧憲継監督は、2016年からトレーニングに導入している「ライフキネティック」がもたらした成果についてこう述べた。
今夏の甲子園で優勝した京都国際の小牧憲継監督 photo by Kyodo News
ライフキネティックは、複数の動作を組み合わせたトレーニングで脳を活性化するプログラム。ドイツの運動指導者であるホルスト・ルッツ氏が独自に研究・開発し、認知機能や学習能力向上などさまざまな効果を理論的に導き出したうえで成果へとつなげていく。最先端の脳科学に基づいたメソッドだ。
ヨーロッパを中心に世界各国、あらゆるシーンで取り入れられており、スポーツチームへの導入事例も多くある。ドイツのサッカー強豪クラブのドルトムントは、ユルゲン・クロップ氏(現レッドブルグループ・グローバルサッカー部門責任者)が監督としてチームを率いていた時代にライフキネティックを導入。すると、元日本代表の香川真司(現セレッソ大阪)が在籍していた2010年からリーグ2連覇を成し遂げた。
日本ではヨーロッパほどの知名度はないものの、大分トリニータが2018年にトレーニングメニューとして取り入れ、同シーズンに6季ぶりのJ1復帰を決めたという事例がある。
このように、サッカークラブへの導入が目立つが、野球、水泳、格闘技、ソフトテニスなど幅広い競技に徐々に浸透。判断力に伴う身体能力が鍛えられると、アスリートからの注目度は高まっている。
そんななか、2016年より8年間、ライフキネティックとともに歩んで来た京都国際が、悲願の甲子園初制覇を達成。プログラムの実践現場を何度か取材してきた筆者は、日本一となった高校球児たちが、実際にどんなトレーニングメニューをこなしているのかを知るべく、小牧監督のもとを訪れた。
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