【高校野球】2024年夏の甲子園は春夏連覇を目指す健大高崎、投手力の報徳学園、チーム打率4割超えの青森山田らの「センバツ出場組」が軸 (2ページ目)

  • 田尻賢誉●文 text by Tajiri Masataka

 同じく2年生右腕の中野大虎も最速149キロの速球に加え、スプリットが武器。制球に課題を残すが、春の報徳学園戦では自らの失策や暴投が敗戦につながっており、リベンジに闘志を燃やしている。3年生でエースナンバーを背負う150キロ右腕・平嶋桂知も控えており、酷暑での連戦にも不安はない。

 打線は例年のような本塁打は出ないが、チーム打率.384を記録。俊足好打の境亮陽(3年)、1年秋から主軸を担う徳丸快晴(3年)らが打つとチームが波に乗る。

 同じくセンバツ8強の青森山田は、投打に充実の戦力で青森県勢初優勝を狙える。エース・関浩一郎(3年)は青森大会で最速152キロを記録したストレートもさることながら、130キロ台中盤のカットボールが圧巻。高校生ではそう簡単に打てないレベルだ。17イニングで12四死球と制球難が課題だが、甲子園の外に広いストライクゾーンの恩恵を受けると難攻不落になりえる。

 援護する打線はチーム打率.401、5試合で6本塁打と強力。八戸学院光星戦で2本塁打を記録した4番の原田純希、木製バットで打率.524、1本塁打を記録した思い切りのいい對馬陸翔(つしま・りくと)の3年生に加え、決勝で満塁本塁打を放った佐藤洸史郎、U15日本代表トリオの蛯名翔人、菊池伊眞(いっしん)、佐藤隆樹ら2年生にも好選手が揃う。レギュラー陣のほとんどは青森山田シニア時代に全国優勝を果たしており、大舞台の経験も豊富。ノリのいいチームだけに乗せると怖い存在になる。

【4季連続出場の広陵は投手力に厚み】

 センバツ16強の2チームも力がある。春夏4季連続出場の広陵は、1年春からエースナンバーを背負う高尾響(3年)が最後の夏を迎える。最速148キロの速球にスライダー、スプリットなど球種も豊富だが、球数が多く、常にいい球を投げようとするため過去3度の甲子園は終盤に大量失点。毎回優勝候補に挙がりながら昨春のベスト4が最高と力を発揮しきれていない。

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