甲子園のスター・吉永健太朗が投げない野球「ベースボール5」で目指す日本一&日本代表 (3ページ目)
大会後、全員で記念撮影 photo by Uchida Katsuharuこの記事に関連する写真を見る「トレーナーの方に来ていただいて、途中でケアしてもらったりしてコンディショニングを保っていました。試合に入る前は体を温めてしっかりダッシュできるように意識していたんですけど、1日動くっていうのがあまりなかったので、結構きつかったですね」
そして4試合目、立正大学との全勝対決に「1番・遊撃」でスタメン復帰。結果は5打数5安打3打点で9−1と大差をつけて4連勝を飾った。鋭い右腕の振りから放たれた打球はあまりにも強烈で、何度も野手の間を抜けていく。逆に遊撃守備では正確な捕球とスナップスローで何度もピンチを救い、周囲からは「うますぎる!」という絶賛の声が上がった。
ベースボール5は、ナイスプレーが出たら敵味方なく褒め称え、ハイタッチを交わす。スポーツマンシップの原点に触れ、見ている方もすがすがしい気持ちになる。
「相手、味方関係なしに楽しくやるというのがベースボール5の魅力だと思います。そこはチーム内でも意識してやっていきたいなと思っています」
5試合目も7打席中6打席で出塁するなど高いパフォーマンスを見せ、チームも17−0(4回コールド)と圧倒的スコアで5戦全勝。チーム創設わずか4カ月ながら、8チームで日本一の座を争う日本選手権(2月4日、神奈川・横浜武道館)出場を決めた。
日本選手権には、宮之原さんがいる「5STARs」や、元プロ野球選手の辻東倫(はるとも)さんら巨人球団職員で結成した「GIANTS」などが出場を決めており、激戦が予想される。
「日本選手権はどこも強くて、レベルが一気に上がってくるんですけど、一つひとつ勝っていって、日本一を獲りたいですね。個人的には日本代表を目指してやっています。宮之原と同じ土俵でやりたいので、それに向けてもコンディショニングをしっかりやっていきたいです」
ベースボール5との出会いがなければ生まれなかった新たな夢。吉永さんは高校、大学に続く"日本一"の称号を手に入れ、再び日の丸を背負うべく、力の限り右腕を振る。
著者プロフィール
内田勝治 (うちだ・かつはる)
1979年9月10日、福岡県生まれ。東筑高校で96年夏の甲子園出場。立教大学では00年秋の東京六大学野球リーグ打撃ランク3位。スポーツニッポン新聞社でプロ野球担当記者(横浜、西武など)や整理記者を務めたのち独立。株式会社ウィンヒットを設立し、執筆業やスポーツウェブサイト運営、スポーツビジネス全般を行なう
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