奇跡の甲子園から5年、リアル「下剋上球児」たちの今 白山高校はなぜ県大会を勝ち抜けたのか卒業後に出した答え (4ページ目)
栗山は岩田の「やらされた感しかない」という言葉を受けて、こう語っている。
「やらされとっても、続けることが大事やな。ずっと同じことをやり続けたら、どっかで変わるタイミングがある。そこは勉強になったし、自信になったよな」
栗山たちと会った野球場を離れ、私は次なる"下剋上球児"の待つ場所へと移動した。だが、その人物が本当に待ち合わせ場所に来てくれるのか不安だった。なにしろ、当時「最大の問題児」と呼ばれていた伊藤尚が相手だったからだ。
(つづく)
『下剋上球児〜三重県立白山高校、甲子園までのミラクル』
菊地高弘著(発行/カンゼン)
【発行】カンゼン
【定価】本体1500円+税
2018年夏の甲子園で注目を集めたのは、初出場の三重県立白山高校だった。
白山高校は、いわゆる野球エリート校とは対照的なチーム。
10年連続県大会初戦敗退の弱小校。
「リアル・ルーキーズ」のキャッチフレーズ......。
そんな白山高校がなぜ甲子園に出場できたのか。
そこにはいくつものミラクルと信じられない物語が存在した。
「菊地選手」渾身の一作。
学校も野球も地元も熱狂! ひと夏の青春ノンフィクション
【目次】
第1章 雑草だらけのグラウンド
第2章 牛歩のごとく進まぬチーム
第3章 10年連続三重大会初戦敗退
第4章 真面目軍団と問題児軍団
第5章 一筋の光明と強豪の壁
第6章 8名の野球部顧問
第7章 過疎の町と野球部
第8章 三度目の正直
第9章 監督の手を離れるとき
第10章 日本一の下剋上
第11章 空に昇っていく大歓声
第12章 白山はなぜ甲子園に出られたのか
著者プロフィール
菊地高弘 (きくち・たかひろ)
1982年生まれ。野球専門誌『野球小僧』『野球太郎』の編集者を経て、2015年に独立。プレーヤーの目線に立った切り口に定評があり、「菊地選手」名義で上梓した『野球部あるある』(集英社/全3巻)はシリーズ累計13万部のヒット作になった。その他の著書に『オレたちは「ガイジン部隊」なんかじゃない! 野球留学生ものがたり』(インプレス)『巨人ファンはどこへ行ったのか?』(イースト・プレス)『下剋上球児 三重県立白山高校、甲子園までのミラクル』(カンゼン)など多数。
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