「佐々木麟太郎はプロで通用するのか?」「今大会で最も評価を上げた打者は?」スカウトに訊いた (3ページ目)

  • 田尻賢誉●文 text by Tajiri Masataka
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

 佐倉は3人のなかで、唯一、初戦敗退。自身も単打1本に終わった。

「バットの軌道はいいし、柔らかさもある。佐々木、真鍋よりも一軍の打席に立つのは早いかもしれません。みんな見た目で長距離砲と言っていますが、アベレージ型でしょう。ただ、あの守備力だとファーストしか守れない。ファーストはホームランが打てないと厳しいポジションですから、プロとなるとどうか」(セ・リーグスカウトB氏)

「少し体が締まった印象を受けました。バッティングも確実性が上がった感じがします。元気があって愛嬌もある。大砲はどこもほしいから、育成なら......という球団はあるかもしれません」(パ・リーグスカウトC氏)

甲子園で2試合連続本塁打を放った履正社・森田大翔甲子園で2試合連続本塁打を放った履正社・森田大翔この記事に関連する写真を見る

【評価急上昇の履正社・森田大翔】

 甲子園ではインパクトを残しきれなかった3人に対し、評価を上げた選手もいる。それが履正社の森田大翔だ。初戦の鳥取商戦、2回戦の高知中央戦で2試合連続本塁打。高校通算34本塁打に伸ばした。

「打球の角度がいい。大阪大会から甲子園まで5本塁打は立派なもの。春に比べて技術は上がっているし、急成長は評価に値する。守備も足は動くし、脚力もあるからプロでもサードはできそうですね」(パ・リーグスカウトA氏 )

「うまく打つようになりましたね。甘い球を逃さないで、一発で仕留める力がある。打席での雰囲気もやってくれそうな感じが出ている。右投げ右打ちだし、ドラフトにはかかるでしょう」(セ・リーグスカウトD氏)

 このほか、スカウトが注目したのは3人の遊撃手。なかでも評価が高かったのが、上田西の横山聖哉。181センチ、82キロと大型ながら守備の動きはよく、打っても高校通算30本塁打。投手としても140キロ台後半をマークするポテンシャルの高さが魅力だ。

「スケール感がある。すでにプロの体です。プロでもショートをできる守備力もあるし、バッティングもいい。高校で指名する野手は将来のレギュラーを期待しますから、技術を叩き込む自信があるチームは上位で獲るかもしれません」(セ・リーグスカウトB氏)

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