大阪桐蔭・前田悠伍が語る2023年の決意「夏の頂点の景色を見て、絶対にドラフト1位でプロに行く」

  • 谷上史朗●文・写真 text & photo by Tanigami Shiro

Sportiva注目若手アスリート「2023年の顏」
第14回:前田悠伍(高校野球)/インタビュー後編

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 昨年秋、大阪桐蔭・前田悠伍は本来のピッチングができず、もがき苦しんでいた。それでも西谷浩一監督はエースにマウンドを託し続け、その期待になんとか応えてきた。まさに「負けない男」の真骨頂を発揮した秋でもあったが、世代ナンバーワン投手はここから何を見せてくれるのか。

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【150キロは出したい】

── 昨年秋、あれだけのピッチングだったら、負けていても不思議ではなかったが、それが負けなかった。あの秋の状態で負けなかったことは自信になりましたか?

前田 状態が悪いのはわかっていたので、そこは受け止めて、とにかくチームが勝つ、どれだけ自分の調子が悪くてもチームが勝ったらいいと。完全にそこだけ頭に置いて投げた結果でもありました。この状態で抑えられたというのはありましたけど、秋はこれで勝てても、ここから先はごまかしの投球では勝てないし成長もしない。

── 秋はツーシームを効果的に使った攻めが目立った。松尾(汐恩)選手に話を聞いた時、「新チームのことを考えて、夏まではツーシームをほとんど使わなかった」と話していました。

前田 サインが出なかった理由はとくに言われなかったですけど、松尾さんがそういうふうに考えてくれているのだろうというのは感じていました。そのおかげで、秋はより効果的なボールになったというのはあったと思います。

── それまで変化球の軸だったチェンジアップとスライダーに加え、ツーシームにカットボール。投球の幅は広がり、ツーシームのイメージも他チームに広がったと思いますか。

前田 それはありますが、あくまで真っすぐをもう一段上げることが最優先で、そこに変化球をうまく使っていきたい。すべての球のレベルアップです。この冬に体を鍛えて、フォームをしっかりリセットしてつくっていかないといけない。

── 夏に148キロをマークしたけど、これが150キロになるとわかりやすく「成長した」という周囲からの声があるはずです。150キロを出してみたいという思いはありますか?

前田 出せるものなら出したいというのはあります。でも、1球だけ出ても意味はないんで。アベレージを上げていって、そこに比例してマックスも上がるのが理想です。

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