大阪桐蔭・前田悠伍が語る2023年の決意「夏の頂点の景色を見て、絶対にドラフト1位でプロに行く」 (2ページ目)

  • 谷上史朗●文・写真 text & photo by Tanigami Shiro

── 1年秋から常に注目され、結果だけでなく数字も求められる。しんどいなと思うことは?

前田 いや、それはないです。上の世界にいく人は、みんな高いレベルを求められるなかでやっていると思うので。そこを超えていかないと成長できないし、そこまでの選手だと思うんで。そこはどんどん注目も期待もしてもらって、自分のレベルを上げていければいいと思っています。

【昨年夏に経験した甲子園の魔物】

── それにしても1年秋から主戦として投げて、その間のチームは公式戦59試合で57勝2敗。この1年間で2つしか負けていない。昨年のこの時期に話を聞いた時は、「高校生活を無敗のまま終わりたい」と話していました。そこは実現できませんでしたが、驚異的な数字です。

前田 負けた2つは、どっちも僕が投げて勝負がついたので......ここからはもう負けずにいきたい。(春季近畿大会決勝の)智辯和歌山戦のあと、先輩たちを負けさせてしまったという気持ちがすごくあった。それで夏は、自分が投げる試合は負けたくないと甲子園に行ったのに、また下関国際に負けてしまった。

── 夏の負けは、今も強く残っていますか?

前田 すごく残っています。負けた瞬間、頭が真っ白という感覚に初めてなりましたから。3年生を負けさせてしまった、3年生ともう野球ができない......そう思ったら、悔しさもありましたけど、とにかく悲しくて。あの負けがあったから、もう絶対に負けたくないという気持ちがより強くなりました。夏の負けが、秋のピッチングにつながったと思います。

── これまで日本一になったのは?

前田 神宮で2回、センバツ、国体で1回ずつなので、全部で4回です。

── センバツ、夏の甲子園、国体と、あと3回日本一のチャンスがあります。もちろん、まずは春ですが、夏の日本一も見てみたいです。

前田 夏はまだ日本一の経験がないですし、去年あの悔しい思いをした夏の甲子園で勝ちたいというのはめっちゃあります。春と夏の甲子園を経験させてもらって、明らかに雰囲気は違いましたし、みんながいると言う"魔物"も経験しましたから。

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