キャラクター性の強い部員たちが歴史を変えられるか。京大野球部が狙う優勝へプロ注目の逸材もついにフル参戦 (2ページ目)

  • 菊地高弘●文・写真 text & photo by Kikuchi Takahiro

 気になる進路について聞いてみると、「育成(ドラフト)でも指名してもらえるならありがたいと思っています」とキッパリ口にした。京大からドラフト指名されるとなると、2014年ロッテ2位の田中英祐以来になる。

 監督の近田怜王は期待を込めて、水口についてこう語った。

「以前までは投げた瞬間にボールとわかる、まったくチャンスのない球も多かったんですけど、その確率が減ってきました。高めのストレートで見逃しのストライクが取れるようになってきて、変化球でも器用にストライクが取れる。ボールに角度がありますから、バッターは嫌だと思いますよ。プロに行きたいという目標があって、自分に何が足りないのかを自覚してしっかり取り組んでいます」

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秋季リーグ戦は連敗スタート

 だが、9月3日のリーグ開幕節で京大を待ち構えていたのは、強敵・同志社大である。春のリーグ戦でも、2試合連続完封負けを喫した分が悪い相手だ。とくにエース右腕の高橋佑輔(豊田西)には、春の第1戦で15三振を奪われ4安打完封に抑え込まれている。学生コーチの三原大知(灘)も「連盟で一番いいピッチャーだと思います」と警戒心を強めていた。

 結果的に、京大は春のリーグ戦と同じように0対2、0対4と2試合連続完封負けを喫する。初戦では高橋に対して8イニングで7安打を放ったものの、2つの牽制死などで足を封じられ二塁さえ踏めなかった。

 京大の投手陣は第1戦で水江日々生(洛星)、徳田聡(北野)、水口、牧野斗威(北野)と4人の主力投手が力を発揮。9イニングを2失点にまとめた。

 そして敗れたとはいえ、京大が「らしさ」を見せたのは第2戦だった。この日は先発した牧野が5回まで3失点と最低限の仕事をして降板。2番手以降は定石なら徳田や水口を投入するところだろう。だが、投手起用の権限を持つ三原の判断は違った。2年生右腕の西宇陽(大教大池田)をマウンドに送ったのだ。

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