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大阪桐蔭はなぜ強く、プロ野球選手が生まれるのか。OBで元阪神・岩田稔が明かす「指導法、練習環境、食事法...」 (3ページ目)

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by Nikkan sports

 今春のセンバツ決勝を18対1という記録的なスコアで勝利するなど、現在の大阪桐蔭には「一強」「強すぎる」という声もあがるほどだ。他校を圧倒する土台には優れたフィジカルがある。

 近年、トレーニングで肉体を鍛える重要性や、逆に骨端線が閉じるまでは身体の成長を大事にすべきという人体の基礎知識は野球界でもだいぶ広まってきた。なかでも大阪桐蔭がトップを走る要因について、岩田はOBとしてこう考えている。

「桐蔭には社会人野球を経験したコーチもいるので、自分がやってきたことを高校生に教えていると思います。ランニングも大事だし、トレーニングも大事だしということで、ああいう体ができていると思うんですよ。食事も関係しているでしょうね」

 1学年20人の大阪桐蔭は全寮制だが、岩田の頃は通いの学生もいた。グラウンドでは照明をつけて夜の10時頃まで練習が行なわれ、「なんでライト(照明)があんねん!」と選手間で文句が出るほどだった。チームでメニューが組まれ、岩田によれば「やらされていた」。寮生のなかには居残りで打撃練習を行なう者もいたという。

 食事の量は「結構多かった」と岩田は振り返るが、高校2年冬に1型糖尿病になると栄養バランスに気を配った特別メニューが用意された。「どれだけ野菜を食うねん」という量が丼鉢に入れられ、食べ終わったらおかずとご飯に手をつける。寮長の気遣いもあり、岩田は闘病しながら高校野球をまっとうすることができた。

成長できる環境づくり

 野球に集中して取り組める環境は、当時も今も大阪桐蔭の強みだ。レベルと意欲の高い選手たちが切磋琢磨し、彼らを引き上げる仕組みもある。シーズンオフになると、中村や藤浪晋太郎(阪神)、森友哉(西武)といったOBが母校に帰ってきて自主トレを行なうのはそのひとつだ。高校生は先輩を見て、自分も同じようになりたいと目標にできるメリットは計り知れない。

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