2022.04.08

大学時代は栗林良吏から豪快弾。身長170センチの「和製アルトゥーベ」平良竜哉はフルスイングでプロへの道を切り拓く

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

 たとえ野球に詳しくない人であっても、大谷翔平のプレーを生で見たら圧倒されるはずだ。同じ人間とは思えない肉体の躍動、底知れないエネルギーを感じられるだろう。真の一流とは、誰が見ても伝わるはずなのだ。

 大谷を例に出した直後にアマチュア選手の名前を出すのはいささか気が引けるが、NTT西日本の平良竜哉のフルスイングにも見る者を圧倒する力がある。平良は身長170センチ、体重77キロと小柄な体型ながら、全身を振り絞るような雄大なスイングを見せる。ついた異名は「和製アルトゥーベ」。身長168センチながら、パワフルなスイングで首位打者、最多安打、盗塁王など数々のタイトルを獲得しているアストロズの内野手、ホセ・アルトゥーベを彷彿とささせるスラッガーだ。今年は大卒2年目を迎えてプロ解禁となり、ドラフト候補に名を連ねる。

フルスイングが魅力のNTT西日本の平良竜哉フルスイングが魅力のNTT西日本の平良竜哉 この記事に関連する写真を見る

フルスイングのルーツ

 なぜ、これほどまでに大きなアクションでバットを振るのか。かつて平良にそう尋ねた時の返答がふるっていた。

「ピッチャーは全力でくるんで、僕も全力でいったほうがいいと思ったんです」

 少年誌のバトル漫画の主人公風のセリフなのは、無理もない。平良の打撃スタイルは、野球を始めた小学生の頃から変わっていない。本人が結果を残し続けてきたことも大きいだろうが、周囲にも恵まれた。その時、その時の指導者が平良のスタイルを尊重し、スケールを損なわないよう接した結果、稀代のスラッガーはすくすくと成長した。

 平良は沖縄県うるま市で生まれ育っている。うるま市立伊波中では全国大会(全日本少年軟式野球大会)に出場し、地元の公立校である前原高でも活躍。九州共立大ではアルトゥーベの存在を知り、「僕より小さいのに活躍している選手がいるんだ」と強く励まされた。福岡六大学リーグでは通算16本塁打を放ち、1年秋の明治神宮大会では名城大の栗林良吏(現・広島)から神宮球場のバックスクリーンに放り込んでいる。