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中学では6番手の遊撃手、高校は控え投手。中央学院大・山崎凪はいかにしてドラフト候補になったのか (2ページ目)

  • 高木遊●文・写真 text & photo by Takagi Yu

 その後エースの負傷などもあり、気がつけば主戦投手として秋季大会8強の立役者となるまで成長を遂げた。

 最後の夏は3回戦敗退となり、山崎も控え投手だったが、千葉英和の伊藤修次監督から中央学院大の菅原悦郎監督に「まだ進路は決まっていないが、強い球を投げる投手がいます」と推薦があり、進学が決まった。

 山崎は大学入学までに「本気でウエイトトレーニングをして一気に変わりました」と言うように、70キロ前後だった体重は80キロ近くまで増え、ボールの質も見違えるほど変わった。

 1年春から千葉県大学リーグで初登板を果たすと、秋には3勝0敗、防御率0.75と好投。その冬に行なわれた侍ジャパン大学代表の強化合宿に招集されるまでになった。

 そこでも「ジャパンというのはピンと来なかった。楽しかったです」と語ったように、代表の常連の先輩投手とも仲よく談笑するなど、緊張した様子はなかった。

 その後も着実に成長を遂げ、今季は同じくドラフト候補に挙がる古田島成龍とともに二枚看板を形成。菅原監督からは「山崎は自分を知っていて冷静。どんな場面でもマウンドに行ける柔軟性がある」と信頼され、先発だけでなくリリーフでも登板。

 今秋のリーグ戦では途中からリリーフを任され、山場となった9月25、26日の国際武道大戦では2試合続けて試合終盤に登板し、ともにチームを勝利に導いた。

 とくに25日の試合では、延長10回表、無死一、二塁から始まるタイブレークでの130キロ台後半のフォークで連続三振を奪ったシーンは真骨頂。続く打者もライトフライに打ちとり無失点。その裏のサヨナラ勝ちにつなげた。

「本当は3点差くらいで投げたかったのに」と冗談を飛ばしながらも、「ダメならダメで仕方ないと割りきって投げることができました」と平然と語った。

 菅原監督は「リリーフにやりがいを感じてくれているようですし、(山崎が)後ろに控えていることでチームに安心感を与えてくれています」と目を細める。

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