名門のエースがドラ１候補・小園健太に対抗心「自分に何が足りないのか考えた」 (3ページ目)

「課題すべてをすぐに克服するのは難しいと思います。でも、試合までの調整方法をこれから組み立てて、初回からしっかり入っていけるようにしたいです。とくに、近畿大会の時のように四球でリズムを崩すことが一番よくない。自分はストレートの四球や、二死からの四球が多い。そこを改善していかないといけない。

　それにただ抑えるだけでなく、ピンチを切り抜けるとか、チームに流れを呼び込むピッチングができるようにならないと、夏は勝てないと思っています。あとは、自分は芯を外す変化球が少ないので、そういう武器を身につけていきたいです」

　この春はチェンジアップを試投し、ひとつの武器として確実にモノになりつつある。中谷監督も「試合でも徐々に踏ん張れるようになっているし、バッテリーで考えられるようになった。ピッチングも少しずつよくなってきている」と、エースの成長に目を細める。

　小園は２年夏まで「歯が立たなかった」という智弁和歌山に3連勝して、一躍全国区となった。今度はその小園に、中西が追いつき追い越せと懸命に汗を流している。

「もっともっと上を目指したい。夏は絶対に負けたくない」

　メラメラと闘志を燃やすその姿は「夏よ、早く来い」と言っているようだ。名門のプライドをかけ、中西の絶対に負けられない戦いが始まる。