2021.01.27

高校野球芸人が見たコロナ禍の甲子園。
テレビ観戦が役立った「いい話」

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki、Sankei Visual

かみじょうたけし×いけだてつや「高校野球対談」(前編)

 コロナ禍に揺れた2020年。高校野球は春夏の甲子園大会が中止となり、開催された大会も多くは無観客試合になった。不自由な思いをする高校野球ファンも多かったなか、「高校野球芸人」として活躍中のかみじょうたけし(松竹芸能)といけだてつや(人力舎)はどのように非常時を過ごしていたのだろうか。東西の高校野球芸人のリモート対談をお届けする。

昨年夏、無観客で開催された甲子園高校野球交流試合── 2020年は観戦も制限され、高校野球ファンとしては過ごしにくい年だったと思いますが、いかがでしたか?

かみじょう そうですね。センバツ代替大会の甲子園高校野球交流試合が8月にあったけど、春夏の甲子園は中止になりましたからね。でも、ファンというより現役球児のつらい心情を思うと、いまだにかける言葉がないというか。もう泣きそうなんですけど......(言葉に詰まる)。

いけだ かみじょうさん、まだ始まったばかりですよ! でも、気持ちは痛いほどわかります。多くの高校3年生の球児にとってはこの1年だけの話ではなくて、子どもの頃から野球を続けてきて、集大成の年だったわけですからね。球児の親にしても朝早く起きて弁当をつくったり、ユニホームを洗ったりとサポートしてきたのに、最後の独自大会では試合を見られない県もあって。

── 毎年、お二人は甲子園を現地で見ることが多かったそうですが、2020年はどう過ごしていましたか?

いけだ 本当なら春のセンバツが開幕していたはずの日に、甲子園球場に行ってみたんです。もしかして、僕がメディアにだまされているだけで大会は開催されているんじゃないか......と一縷の望みをかけて。そうしたら、現地でかみじょうさんとお会いしました(笑)。

かみじょう そうやったね。俺も本当に大会がないのか確かめずにはいられなかった。甲子園駅を降りたら、知らない人から「やっぱりかみじょうさんも来ましたか」と話しかけられて。その人はわざわざ三重から来たって言っていた。ほかにも何人か甲子園周辺に来ていたね。いけちゃんは、テレビの取材を受けていたもんな(笑)。

いけだ 「誰もいない甲子園」という映像を撮りたかったようなんですけど、人がいてあてが外れたみたいです。取材には「東京から来ました」と答えました(笑)。